周礼47

春官宗伯6
#春官と宗伯という役職についての章

肆師之職:掌立國祀之禮,以佐大宗伯。立大祀,用玉帛、牲牷。立次祀,用牲幣。立小祀,用牲。以歲時序其祭祀及其祈珥。
#「肆師之職」は、古代中国の官職の一つで、主に国家の祭祀儀式を取り仕切る役割を担い、大宗伯を補佐する役職です。大祭祀の際には玉や絹、牲獣を使用し、次の祭祀では牲獣に代わる貨幣を使用し、それ以降の祭祀では実際の牲獣を用いることとされました。また、年間の季節や時期に合わせて祭祀を執り行い、祭祀や祈りの儀式を正確に行うための手順を定める役割もありました。

大祭祀,展犧牲,系于牢,頒于職人。凡祭祀之卜日、宿為期,詔相其禮,視滌濯亦如之。祭之日,表粢盛,告潔;展器陳,告備;及果,筑煮。相治小禮,誅其慢怠者。掌兆中、廟中之禁令。凡祭祀禮成,則告事畢。
#大祭祀の場合、生け贄を祭壇に展示し、祭壇の周りに囲いを設けて贄を守り、その後で祭壇上の贄を官職に属する人々に分配することが行われました。祭祀の日取りや儀式の詳細に関する日程や規定は、詔勅によって定められ、清めの儀式も同様に重要視されました。祭祀の日には、食物や酒を供え、清浄であることを告げました。祭壇上には備え付けの器具が整えられ、果物も供えられ、煮炊きも行われました。また、祭りの儀式を怠る者に対しては罰則があるとされています。さらに、占いや神託の儀式を監督し、廟の規則も管理する責任がありました。

凡祭祀禮成,則告事畢。
#祭祀儀式が完了すると、儀式の終了を報告する役割も担いました。

大賓客,蒞筵幾,筑煮,贊果將。大朝覲,佐儐。共設匪甕之禮。饗食,授祭。與祝侯禳于疆及郊。
#大賓客が訪れる際には、宴会が催され、どのような場面であるか、どのくらいの広さの座席が必要かを検討し、食事を用意し、果物を並べる準備を行いました。大朝覲の際には、王や君主に対して補佐をし、礼儀正しく接する役割がありました。また、特別な儀式や祭りにおいては、特殊な食事の儀式や祭祀を共に行い、祭壇に食べ物を供える役割を果たしました。さらに、疆界や郊外での儀式においては、祝侯(祭祀の司祭)と協力して祈祷や儀式を行い、災いを避けるための儀式を行うこともありました。

大喪,大渳以鬯,則筑煮。令外內命婦序哭。禁外內命男女之衰不中法者,且授之杖。
#大きな喪の場合、大渳(おおゆ)の儀式を行い、それに続いて筑煮(ちくしょ、食事の儀式)を行いました。外部からも内部からも、命じられた女性たちが順番に号泣する儀式を行いました。また、外部からも内部からも、法に従わない喪服を着た男性や女性は、杖を授けることで戒めました。

凡師甸,用牲于社宗,則為位。類造上帝,封于大神,祭兵于山川,亦如之。凡師不功,則助牽主車。凡四時之大甸獵,祭表貉,則為位。
#あらゆる師甸(しべん)の際に、社と宗に対して牲獣を捧げる際には、それに位置を定めました。まるで上帝を造り上げ、大神に封じるかのように、山や川に兵を祭る際にも同様の手順が取られました。しかし、師甸が成就しなかった場合、主車を引くのを助ける役割がありました。四季ごとの大きな狩りの際に、貉を祭る儀式を行い、それに位置を定めました。

嘗之日,蒞卜來歲之芟。獼之日,蒞卜來歲之戒。社之日,蒞卜來歲之稼。
#嘗の日には、来る年の収穫を卜(うらな)いました。獼(びん)の日には、来る年の作物を守るための戒(いましめ)を卜りました。社の日には、来る年の穀物を卜っていました。

若國有大故,則令國人祭。歲時之祭祀,亦如之。凡卿大夫之喪,相其禮。凡國之大事,治其禮儀,以佐宗伯。凡國之小事,治其禮儀而掌其事,如宗伯之禮。
#もし国に大きな出来事がある場合、国民に祭祀を行うよう命じました。年中行われる祭りも同様です。卿や大夫の死亡の場合、その儀式を遵守しました。国の大きな出来事がある際には、それにふさわしい儀式を整え、宗伯を補佐しました。国の小さな出来事に関しても、適切な儀式を行い、宗伯のようにその事を取り仕切りました。

郁人:掌祼器。凡祭祀、賓客之祼事,和郁鬯以實彝而陳之。凡祼玉,濯之陳之,以贊祼事。詔祼將之儀與其節。凡祼事,沃盥。
#郁人 (いくじん)は、祼器(しゅんき、食事の際の器具)を管理する役職でした。あらゆる祭祀や賓客の食事の際には、和郁鬯(わいくちゃん、酒の一種)を用いて彝(い、礼器の一種)に注ぎ、食卓に整えました。また、祼される玉器も濯(洗浄)して陳列し、祼の儀式を美しく行うために様々な手続きを行いました。詔に基づいて祼の儀式や手順が定められ、その節目も調整しました。祼の際には盥(かん、手洗いの儀式)も行いました。

大喪之渳,共其肆器;及葬,共其祼器,遂貍之。大祭祀,與量人受舉斝之卒爵而飲之。
#大きな喪の場合、共同で器具を使用し、渳(ひたす)の儀式を行いました。また、葬儀の際には、共同で祼器を用い、最後にそれを捧げました。大祭祀の際には、一定の人数が斝(しゃ、酒を注ぐ器)を掲げて爵(しゃく、酒を注ぐ器)を受け、共に飲酒する儀式が行われました。

鬯人:掌共秬鬯而飾之。凡祭祀,社壝用大罍,禜門用瓢齎,廟用修。凡山川四方用蜃,凡埋事用概,凡副事用散。大喪之大渳,設斗,共其釁鬯。凡王之齊事,共其秬鬯;凡王吊臨,共介鬯。
#鬯人 (しゃんじん)は、共秬鬯(きょうこう、特別な酒)を調合し飾る役割でした。あらゆる祭祀の際には、社壝(しゃりょ、祭壇)では大きな罍(たい、酒を注ぐ器)を使用し、禜門(ごうもん、祭りの門)では瓢(ふくべ、一種の器)を携え、廟(みお)では修(しゅう、器具の一つ)を用いました。山や川、四方の祭祀では蜃(しん、特別な酒)を使用し、埋葬の際には概(かたち)を用い、補助的な儀式では散(さん、酒を振る)を使用しました。大きな喪の際の大渳(おおゆ)の儀式では、斗(ます、容器の一種)を用い、釁鬯(きんちゃん、酒を供える儀式)を共に行いました。王の齊(し、祭祀)の際には、秬鬯(こうこう、特別な酒)を共に調合し、王が臨む場面では介鬯(かいちゃん、酒を供える儀式)を共に行いました。

雞人:掌共雞牲,辨其物。大祭祀,夜呼旦以叫百官。凡國之大賓客、會同、軍旅、喪紀,亦如之。凡國事為期,則告之時。凡祭祀,面禳,釁,共其雞牲。
#雞人 (けいじん)は、共同で使われる鶏の生け贄を管理し、その性質を区別する役割を担っていました。大きな祭祀の際には、夜が明ける前に百官を呼び集めて、声を張り上げて合図しました。国の重要な賓客の接待や会議、軍事行動、喪の儀式なども同様に行いました。国の事柄が決まった期間に行われる場合には、その時間を告げる役割も担いました。祭祀の際には、面禳(めんじょう、災いを避けるための儀式)、釁(きん、酒を供える儀式)、雞牲(けいしょう、鶏の生け贄)を共に行いました。

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