周礼86

秋官司寇14
#秋官と司寇という役職についての章

小行人:掌邦國賓客之禮籍,以待四方之使者。令諸侯春入貢,秋獻功;王親受之,各以其國之籍禮之。凡諸侯入王,則逆勞于畿。及郊勞、視館、將幣,為承而擯。凡四方之使者,大客則擯,小客則受其幣而聽其辭。
#小行人 (しょうこうにん):外国の使者を迎え、四方からの使者を待つための国の礼儀を掌握し、諸侯には春に貢物を持参させ、秋に功績を献上させます。王はこれらの贈り物を受け取り、それぞれの国の慣習に従って礼を取り仕切ります。諸侯が王のもとに訪れる場合、王は国境で彼らを迎え、郊外で彼らを労います。そして、彼らの行事を監督し、贈り物を受け取り、彼らを送り出します。四方からの使者は、大使者は送り出し、小使者は彼らの贈り物を受け取り、彼らの言葉を聞きます。

使適四方,協九儀賓客之禮。朝、覲、宗、遇、會、同,君之禮也。存、覜、省、聘、問,臣之禮也。達天下之六節:山國用虎節,土國用人節,澤國用龍節,皆以金為之。道路用旌節,門關用符節,都鄙用管節,皆以竹為之。
#四方からの使者に対して、国の儀式を整えるために九つの儀礼を調和させます。朝、覲、宗、遇、會、同は主君に対する儀礼であり、存、覜、省、聘、問は臣下に対する儀礼です。また、天下全体に適用される六つの部分があります。山の国では虎の部分を使い、土地の国では人の部分を、湖沼の国では龍の部分を使用します。これらの部分はすべて金で作られます。また、道路には旌の部分、門や関門には符の部分、都市や村には管の部分が用いられ、これらはすべて竹で作られます。

成六瑞:王用瑱圭,公用桓圭,侯用信圭,伯用躬圭,子用穀璧,男用蒲璧。
#「成六瑞」は、古代中国の礼儀制度における官職や位階に応じて使用される玉器(圭、璧)を指します。以下、それぞれの役職と対応する玉器について説明します:王用瑱圭(ちょうけい):王のための玉器で、瑱圭は王の最高の礼儀を表すものでした。王が重要な儀式や祭典で使用しました。公用桓圭(かんけい):公の位階に応じて使用される玉器で、桓圭は公爵や高位の貴族によって使用されました。侯用信圭(しんけい):侯爵のための玉器で、信圭は侯爵やその他の高位の貴族によって使用されました。伯用躬圭(こうけい):伯爵のための玉器で、躬圭は伯爵やその他の中位の貴族によって使用されました。子用穀璧(こくへき):子爵のための玉器で、穀璧は子爵や下級の貴族によって使用されました。男用蒲璧(ぼへき):男の位階に応じて使用される玉器で、蒲璧は一般の男性や下級の貴族によって使用されました。これらの玉器は、社会的な位階や役職を示すために使用され、古代中国の礼儀や儀式において重要な役割を果たしました。

合六幣:圭以馬,璋以皮,璧以帛,琮以錦,琥以繡,璜以黼;此六物者,以和諸侯之好故。
#「合六幣(ごうろくへい)」は、古代中国の外交や儀式において、諸侯との友好関係を保つために使用された6つの贈り物や品物を指します。以下、それぞれの贈り物とその材料について説明します:圭(けい):馬で作られた玉製の器。馬は贈り物の価値を高め、友好関係の強調と誠実さを示すために使用されました。璋(しょう):獣皮で作られた玉製の器。皮は柔らかく貴重な素材であり、諸侯との友好関係を表現しました。璧(へき):絹で包まれた玉製の器。絹は高級な繊維であり、富と誠実さを象徴しました。琮(ぞう):錦で包まれた玉製の器。錦は美しさと繁栄を表し、友好関係の発展を意味しました。琥(こ):刺繍が施された玉製の器。刺繍は繊細さと芸術性を示し、友好関係に美的な要素を加えました。璜(こう):黒檀(ぼくたん)で作られた玉製の器。黒檀は高級な木材であり、友好関係の持続性と価値を表現しました。これらの6つの贈り物は、諸侯との友好関係を築き、維持するために重要な役割を果たし、贈り物の選択肢や材料はその時代の文化や価値観に基づいて選ばれました。

若國札喪,則令賻補之。若國凶荒,則令赒委之。若國師役,則令槁禬之。若國有福事,則令慶賀之。若國有禍災,則令哀吊之。凡此五物者,治其事故。#この文は、古代中国の社会や文化において、異なる状況に対処するための五つの行動について説明しています。以下、それぞれの行動について説明します:若国札喪(じゃくこくさつそう):もし若い国で喪が起こった場合、喪主(喪家の主人)に謁見し、葬儀や喪の儀式をサポートすることを指します。この行動は、喪家に対する敬意を表すものです。若国凶荒(じゃくこくきょうこう):若い国で災害や凶事が発生した場合、被災者に対して支援を提供し、被災地の復興を支援することを指します。赒委(そうい)は災害救援を意味します。若国師役(じゃくこくしえき):若い国で国家の教育や指導が必要な場合、賢者や師匠による指導を提供し、国家の教育制度を整備することを指します。槁禬(こうかい)は賢者や教育者を指します。若国有福事(じゃくこくゆうふくじ):国に幸運な出来事や祝福が訪れた場合、それを祝福し、慶賀の意を表すことを指します。国民や指導者は共に喜びを分かち合います。若国有禍災(じゃくこくゆうかさい):国に災害や不幸な出来事が発生した場合、哀悼の意を表し、被災者に同情し、支援を提供することを指します。哀吊(あいちょう)は悲しみと哀悼を示します。これらの行動は、異なる状況に対処するための社会的なルールや責任を示しており、古代中国社会において重要な役割を果たしていました。

及其萬民之利害為一書,其禮俗、政事、教治、刑禁之逆順為一書,其悖逆、暴亂、作慝、猶犯令者為一書,其札喪、凶荒、厄貧為一書,其康樂、和親、安平為一書。凡此五物者,每國辨異之,以反命于王,以周知天下之故。
#この文は、中国古代の政府や社会組織に関連する様々な書物や文献の分類について説明しています。以下、それぞれの分類について説明します:利害為一書(りがいいちしょ):この書物は国や各地の人々の利益と損失に関する情報をまとめたもので、政府が国内外の状況を把握し、対策を立てる際に参考にします。禮俗、政事、教治、刑禁之逆順為一書(れいぞく、せいじ、きょうじ、けいきんのぎゃくじゅんいちしょ):この書物には儀礼、習慣、政治、教育、刑罰に関する情報がまとめられており、社会の秩序を維持し、政府の政策を支えるためのガイドラインが含まれています。悖逆、暴乱、作悪、犯令者為一書(はいぎゃく、ぼうらん、さくあく、はんれいしゃいちしょ):この書物は反抗者、乱暴者、犯罪者についての情報をまとめたもので、法の執行や治安維持に役立ちます。札喪、凶荒、厄貧為一書(さつそう、きょうこう、やくひんいちしょ):この書物には喪の儀式、災害、貧困に関する情報が含まれており、国家や社会がこれらの状況に対処する際の指針が記載されています。康樂、和親、安平為一書(こうらく、わしん、あんへいいちしょ):この書物は幸福、和平、安定に関する情報をまとめたもので、国家の繁栄と安定を追求するためのガイドラインが含まれています。これらの書物は、国家統治と社会の調和を促進し、各地域の事情に合わせて情報を整理し、王(国王または支配者)に提供する役割を果たしました。それにより、天下(国内外の世界)を理解し、適切な政策を実施するための情報が提供されました。


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