周礼５４

春官宗伯１３
＃春官と宗伯という役職についての章

卜師：掌開龜之四兆，一曰方兆，二曰功兆，三曰義兆，四曰弓兆。凡卜事，視高。揚火以作龜，致其墨。凡卜，辨龜之上下、左右、陰陽，以授命龜者而詔相之。
#卜師 （ぼくし）：四つの兆に基づいて亀の甲を解釈します。一つは「方兆」、二つは「功兆」、三つは「義兆」、四つは「弓兆」です。あらゆる卜事では、高く視点を持ちます。火を焚いて亀を作り、亀の墨を使います。卜事を行う際には、亀の甲の上下や左右、陰陽を区別し、それを命を卜する者に教えて示します。

龜人：掌六龜之屬，各有名物。天龜曰靈屬，地龜曰繹屬，東龜曰果屬，西龜曰雷屬，南龜曰獵屬，北龜曰若屬。各以其方之色與其體辨之。凡取龜用秋時，攻龜用春時，各以其物入于龜室。上春釁龜，祭祀先卜。若有祭事，則奉龜以往；旅亦如之，喪亦如之。
#龜人 （きゅうじん）：六つの龜に関連するものを扱います。それぞれ名前のついた特性を持ちます。天龜は「靈屬（れいぞく）」と呼ばれ、地龜は「繹屬（えきぞく）」、東龜は「果屬（かぞく）」、西龜は「雷屬（らいぞく）」、南龜は「獵屬（りょうぞく）」、北龜は「若屬（じゃくぞく）」と呼ばれます。それぞれの方角の色と特性で区別します。秋の時期に龜を取る際には、その名の通りに行動し、春の時期に攻める際には攻撃的な方法を用います。それぞれの特性に合った物を龜の住む場所に入れます。春の初めに龜を刺激し、祭祀を行う前に卜を行います。祭りの際には龜を持参し、旅行でも同様です。喪の場合も同じように行います。

菙氏：掌共燋契，以待卜事。凡卜，以明火爇燋，遂吹其焌契，以授卜師，遂役之。
#菙氏 （きし）：共燋契（きょうじょうけい）を扱い、卜事を待ちます。すべての卜事において、明るい火を用いて契約書を焼き尽くし、その焼けた契約書を吹いて焼き跡を明らかにし、それを卜師に示して伝え、その後彼らを務めます。

占人：掌占龜，以八筮占八頌，以八卦占筮之八故，以視吉凶。凡卜筮，君占體，大夫占色，史占墨，卜人占坼。凡卜筮，既事，則系幣以比其命。歲終，則計其占之中否。
#占人 （せんにん）：占龜を扱い、八筮を用いて八つの頌を占い、また八卦を使って筮（うらないの方法）を行い、その結果を用いて吉凶を判断します。すべての卜筮において、君主は占いの方法、大夫は色彩を占い、史官は墨を占い、卜人は割れ目を占います。卜筮を行う際には、占い対象が確定したら、その結果を示すために幣（へい）を用います。年が終わると、その年の占いの結果を振り返り、どれだけ正確だったかを計算します。

筮人：掌三易以辨九筮之名，一曰「連山」，二曰「歸藏」，三曰「周易」。九筮之名，一曰巫更，二曰巫咸，三曰巫式，四曰巫目，五曰巫易，六曰巫比，七曰巫祠，八曰巫參，九曰巫環。以辨吉凶。凡國之大事，先筮而後卜。上春，相筮。凡國事，共筮。
#筮人 （しきにん）：三つの易を用いて九つの筮（うらないの方法）の名前を区別します。一つは「連山」、二つは「歸藏」、三つは「周易」です。九つの筮の名前は、一つは「巫更」、二つは「巫咸」、三つは「巫式」、四つは「巫目」、五つは「巫易」、六つは「巫比」、七つは「巫祠」、八つは「巫參」、九つは「巫環」と呼ばれます。これらを用いて吉凶を判断します。国の重要な出来事の前には、まず筮を行い、その後に卜を行います。春の初めには上層の人々が筮を行い、国の事柄に関しては共同で筮を行います。

占夢：掌其歲時，觀天地之會，辨陰陽之氣。以日月星辰占六夢之吉凶，一曰正夢，二曰噩夢，三曰思夢，四曰寤夢，五曰喜夢，六曰懼夢。季冬，聘王夢，獻吉夢于王，王拜而受之。乃舍萌于四方，以贈惡夢，遂令始難驅疫。
#占夢 （せんむ）：年ごとの時期を見ながら、天地の出来事を観察し、陰陽の気を区別します。日、月、星、星座を用いて六つの夢の吉凶を占います。一つは「正夢」、二つは「噩夢」、三つは「思夢」、四つは「寤夢」、五つは「喜夢」、六つは「懼夢」と呼ばれます。季節が冬の時には、王が尋ねられる夢を占い、吉夢を王に献上し、王はそれを受け入れて拝します。その後、四方に悪夢を送り、悪夢を持たせることで疫病の発生を防ぐようにします。

視祲：掌十輝之法，以觀妖祥，辨吉凶。一曰祲，二曰象，三曰鑴，四曰監，五曰闇，六曰瞢，七曰彌，八曰敘，九曰隮，十曰想。掌安宅敘降。正歲，則行事；歲終，則弊其事。
#視祲 （ししん）：十つの輝きの法則を用いて、妖怪や吉凶を観察し、判別します。一つは「祲（しん）」、二つは「象（しょう）」、三つは「鑴（へき）」、四つは「監（かん）」、五つは「闇（あん）」、六つは「瞢（もう）」、七つは「彌（み）」、八つは「敘（じょ）」、九つは「隮（きつねび）」、十つは「想（そう）」と呼ばれます。また、安宅の配置や降伏（風水的要素）をも司ります。正しい年の時には、事を行います。年が終わる際には、その年の出来事を検討し、どのように事を改善するかを考えます。