周礼49

春官宗伯8
#春官と宗伯という役職についての章

司服:掌王之吉凶衣服,辨其名物與其用事。王之吉服:
#司服 (しふく)は、王の吉凶と服装の関係を示し、その服の種類と使用法を区別するものです。王の吉凶に応じた服装は以下の通りです。

祀昊天上帝,則服大裘而冕,祀五帝亦如之;
#祀昊天上帝の場合、大裘と冕を着用します。五帝を祀る際も同様です。

享先王,則袞冕;
#先王を祀る際は袞冕(ぐんもん)を着用します。

享先公,饗,射,則鷩冕;
#先公の享祭や饗宴、射礼の場合は鷩冕(びゅうもん)を着用します。

祀四望山川,則毳冕;
#四方の山川を祭る場合は毳冕(びょくもん)を着用します。

祭社稷、五祀,則希冕;
#社稷や五祀を祭る場合は希冕(きもん)を着用します。

祭群小祀,則玄冕。
#小さな祭りを祀る場合は玄冕(げんもん)を着用します。

凡兵事,韋弁服。視朝,則皮弁服。凡甸,冠弁服。凡凶事,服弁服。凡吊事,弁绖服。凡喪,為天王斬衰,為王后齊衰。王為三公六卿錫衰,為諸侯緦衰,為大夫、士疑衰,其首服皆弁绖。大札、大荒、大災,素服。
#また、兵事には韋弁(いべん)を着用し、朝廷の公式な行事である視朝の際は皮弁(ひべん)を着用します。領地を訪れる際は冠弁(かんべん)を着用し、凶事には弁服を着用します。弔事の際には、弁と絖を着用します。喪服に関しては、天王は斬衰を着用し、王后は齊衰を着用します。王が三公六卿に服を授ける場合は錫衰を着用し、諸侯は緦衰を着用します。大夫や士は疑衰を着用し、その頭には弁絖を着用します。大札や大荒、大災の際は素服を着用します。

公之服,自袞冕而下,如王之服。侯伯之服,自鷩冕而下,如公之服。子男之服,自毳冕而下,如侯伯之服。孤之服,自希冕而下,如子男之服。卿大夫之服,自玄冕而下,如孤之服;其凶服,加以大功、小功。士之服,自皮弁而下,如大夫之服,其凶服亦如之。其齊服有玄端、素端。
#公の服装は袞冕から始まり、侯や伯も同様の服装です。子や男子は毳冕から始まり、孤(こ)は希冕から始まります。卿や大夫は玄冕から始まり、凶事の際には大功や小功を加えます。士の服装は皮弁から始まり、凶事の際も同様です。齊(せい)服には玄端(げんたん)と素端(そたん)があります。

凡大祭祀、大賓客,共其衣服而奉之。大喪,共其復衣服、斂衣服、奠衣服、廞衣服,皆掌其陳序。
#大きな祭祀や重要な賓客が来る際には、その衣服を共に用意してその方に奉仕します。大きな喪の場合には、衣服の着替え、斂い(しのぎ、遺体を包むための布)、奠服(てんぷく、祭壇に供えるための布)、廞服(しんぷく、祭壇の周りに広げるための布)の衣服を共に準備し、その配置や順序を管理します。

典祀:掌外祀之兆守,皆有域,掌其禁令。若以時祭祀,則帥其屬而修除,徵役于司隸而役之。及祭,帥其屬而守其厲禁而蹕之。
#典祀 (てんし)は、外部の祭祀の兆しや守るべき領域を管理し、その禁令を司る役割を担います。もし祭りの際に適切な時期で行う場合、関係者をまとめて整備し、司隷(しさつ、官吏の一部署)から徴募してそれを支援させます。そして実際の祭りの際には、関係者を指導して厳粛な禁忌を守り、それを蹕(ふせぐ、守る)します。

守祧:掌守先王先公之廟祧,其遺衣服藏焉。若將祭祀,則各以其服授尸,其廟,則有司修除之;其祧,則守祧黝堊之。既祭,則藏其隋與其服。
#守祧 (しゅうけい)は、先王や先公の廟祧(びょうえい、祖先の祭壇や祀りの場)を守る役割であり、彼らの遺された衣服を保管します。もし祭りを行う場合、関係者はそれぞれの祖先にふさわしい服を身につけて供え、廟の管理は専属の役人が整備します。祖先の廟祧を守る際には、守祧黝堊(しゅうけいようあく、祭壇や祖先の像などを清めるための特別な土)を用いて清めます。祭りが終わると、供えた物と共に着用した服を保管します。

世婦:掌女宮之宿戒及祭祀,比其具。詔王后之禮事。帥六宮之人共粢盛。相外內宗之禮事。大賓客之饗食,亦如之。大喪,比外內命婦之朝莫器不敬者,而苛罰之。凡王后有拜事於婦人,則詔相。凡內事有達於外官者,世婦掌之。
#世婦 (せふ)は、女宮(じょきゅう、王宮内の女性の居住区)の宿戒(しゅくかい、居住の規則)や祭祀、それに必要な具材などを管理する役割を担います。また、王后の礼儀や行事についての命令を発令します。六宮の女性たちを指導して共に粢盛(しゅしょう、祭祀の際の食物の供え物)を行います。また、外部と内部の宗教的な行事や儀式に関わり、大賓客の饗食(きょうしょく、宴席)も同様に指導します。大きな喪の際には、外部と内部の命婦(めいふ、王宮内の女性の高位の役職)が敬意を持って服装を整えることを比較し、尊重されていない場合は厳しい罰を科します。王后が他の女性に拝礼を行う場合には、詔を発令して相手を指示します。また、宮中で起きる内部の事務が外部の官庁に伝達される場合には、世婦がそれを管理します。

內宗:掌宗廟之祭祀,薦加豆籩。及以樂徹,則佐傳豆籩。賓客之饗食,亦如之。王后有事,則從。大喪,序哭者;哭諸侯,亦如之。凡卿大夫之喪,掌其吊臨。
#內宗 (ないそう)は、宗廟の祭祀を管理する役割を担います。宗廟の祭りの際には、薦加(せんか、祭りの供物)や豆籩(とうきょう、祭りの際に用いる特別な器具)を用いて祭祀を執り行います。また、音楽が演奏される際には、徹(とおり、楽曲の指揮をする)を担当し、伝豆籩を補佐します。賓客の饗食(宴席)も同様に取り計らいます。王后が何か事をする場合には、内宗がその手伝いを行います。大きな喪の際には、儀式的な序列に従って哭(こく、悲嘆の儀式)を行います。諸侯を弔う際も同様の儀式を行います。卿や大夫などの上位の役職者の喪の際には、その吊り臨を掌ります。

外宗:掌宗廟之祭祀,佐王后薦玉豆,視豆籩;及以樂徹,亦如之。王后以樂羞粢,則贊。凡王后之獻,亦如之。王后不與,則贊宗伯。小祭祀,掌事;賓客之事,亦如之。大喪,則敘外內朝莫哭者,哭諸侯亦如之。
#外宗 (がいそう)は、宗廟の祭祀を管理する役割を担います。宗廟の祭りの際には、王后を支えて玉豆を薦(ささ)げ、豆籩を監督します。音楽が演奏される際には、徹(とおり、楽曲の指揮をする)を補佐し、同様の役割を果たします。王后が楽しみながら粢(しゅく)を供える場合には、贊(さん、歌を歌い称賛する役割)を務めます。王后の奉納の儀式も同様の役割を果たします。王后が儀式に参加しない場合には、贊宗伯(さんそうはく、外宗の長)が役割を担います。小さな祭祀の際には、儀式の準備や執り行いを掌ります。賓客の関連事項も同様に管理します。大きな喪の際には、外宗が内外の朝(儀式の際の序列)を整え、皆が哭(こく、悲嘆の儀式)を行います。諸侯を弔う際も同様の儀式を行います。

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