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住む場所で人生が作られる〜家にまつわるストーリー〜

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わたしたちの暮らしは家から始まる。 暮らしを育む家を振り返って、これまでのライフスタイルを伝えます。
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記事一覧

銃声で目覚めた今朝とシカ騒動【#22家にまつわるストーリー】

今朝は早朝から銃声で目覚めました。 わたしの住むミシガン州では今日(11月15日)が銃によるディア・ハンティングの解禁日です。ミシガンは狩猟を楽しむ人が多い州で、11月14日までは弓によるディアハンティングが認められていますが今日から月末までは銃による猟をしても良い時期なのです。ハンティング人口は年々減ってきてはいるものの今も州内に500,000人ほどいるとのことです。 わたしが在米というと多くの方がニューヨークやシカゴ、サンフランシスコやLAみたいな場所を想像されるよう

家のメンテナンスに忙しい季節です【#21家にまつわるストーリー】

久々にこのシリーズです。 昨年の今ごろにこんな投稿しました。 ライディングモア(乗るタイプの芝刈り機)がほしいことを書きました。昨年は結局、近所の芝刈り業者さんのエリックにお願いしました。1回来てもらうと80ドルほどかかるのですが、草の成長の早いときには1週間で伸びてしまいますからかなりイタイ出費です。 なにしろ庭が広いので、仕方がありません。業者さんだと大きな芝刈り機であっというまにやってくれるので三十分ほどできれいにしてくれます。 さて、昨年みんなに却下されてしま

61歳と8歳が友だちになる【#20家にまつわるストーリー】

カラッとした暑さなので、爽やかな気分で夏の陽射しを満喫しているミシガン州からです。毎朝、冬の分まで太陽を浴びようと外のデッキでコーヒータイムを楽しんでいるので、ちょっと日焼けしています。 前回、↑お知らせした芝刈りについて、未だお目当てのRYOBI のライディングモアーが手に入らないので、芝刈り業者さんにお願いして凌いでいます。そんな中でここしばらくは現れなかった、最強のネイバーさんことパットが久々に現れました。かわいい坊やをゴルフカートに乗せてやってきました。 p「やあ

亡き夫が遺した家に住むようになり、無事1周年が過ぎた【#19家にまつわるストーリー】

昨年の5月の1日から住み始めたので、気がつけばまる1年とちょっとが過ぎていました。昨年の今ごろは心の中にはまだまだたくさんの不安を抱えていました。ローンや税金などちゃんと払っていけるのだろうか?こんな大きな敷地の世話をどうしていけばいいのか?わたしたちのライフスタイルに適合して住みよく暮らしていけるのだろうか?……と心配だらけでした。 それでも、少しずつ不安は解消されていきました。ローンは息子の名義で組み直し負担を軽くしました。税金もなんとかやりくりできそうな金額で落ち着き

雪の世話までしてくれる親切な隣人、実は……!!【#1 8家にまつわるストーリー】

サンクスギビングも終わり12月に突入しました。わたしたちがこの家に住むようになったのは5月からなので、これから初めての冬を経験することになります。わたしの住むミシガン州というのは、北海道と同じぐらいの緯度なので冬は激寒となります。 ⬆前回までに登場してきた、最強のネイバーさんパットからテキストメッセージが届きました。 Is it OK if I saw your driveway? Salt (ドライブウェイ見てもいい? 塩) ここ最近は、雪がチラつく日もでてきました

持つべきは、トラクター持ってる隣人/最強のネイバーに救われる【#17家にまつわるストーリー】

後日、再びパットが現れました。 「造園業者からの見積もりわかったかい?」 2か所の業者からもらった金額を伝えたら、彼は言いました。 「業者に頼めば、それぐらいだとは思っていたけど、私からすればぼったくりさ。芝張りやってあげようか?」 う〜ん。 ありがたい言葉ですが、困惑しました。日本円にすれば100万円規模の仕事をただ隣人というだけで、ご厚意に甘えるには虫が良すぎる気がして即答できませんでした。 返事に困っているとさらに続けました。 「隣人が、しょうもないお金の

隣人は選べない。さてだいじょうぶか?ネイバー現る【#16家にまつわるストーリー】

さて頭を抱えたのが広い庭です。夫が生きていたなら、こんなに広い敷地がほしかった夫が自分の責任で考えればいいし、悩めばいいし、楽しめばよかったのですが、死なれてしまってはすべてがわたしの荷物であり責任です。 暑くなるにしたがって虫も増え雑草も生えてきました。寄ってくる虫の量にねを上げ、とりあえずの応急処置にと電撃殺虫器を買って置いてみたところ、ホラー映画レベルで虫が捕れました。 佃煮にするわけじゃないんだから、たくさん捕れると喜んでいる場合ではありません。これでは「暖簾に腕

完成したけど出費は続くし、待ちくたびれるよどこまでも!【#15 家にまつわるストーリー】

長い道のりだったけど、完成して無事に引っ越せました。とは言っても、わたしの大きな荷物はすでにガレージに置いてあったので、身ひとつといくつかのスーツケースだけで、4ヶ月ぶりに新しい家の中に入りました。 ⬆この続きです。 しばらくはダンボール箱を開ける作業に明け暮れました。受け渡しが済んでも、整えなければいけないことは山ほどあります。 いちばんにお願いしたのは、家じゅうの水の浄化システムを入れてもらうことでした。田舎なので水道は通っておらず井戸水です。水質検査では飲んでも安

夫の夢見た家は、家族みんなで完成させた【#14 家にまつわるストーリー】

放り出す選択肢はないとわかってからは、もう前に進むしかない!!夫が残りの人生を最高!!にするために設計した家ですが、わたしがひとりで住むには大きすぎます。 なにしろ東京ドームの半分より大きい敷地に、日本流にいうと建坪で150坪ほどの家です。ここにひとりでポツンと住むなら、メンテはたいへんだし、孤独感倍増まちがいありませんから想像しただけで泣けてきます。グルグルグルグルと考えに考えて頭が割れそうな毎日でした。 夫の癌の発覚でわたしたちの闘病を助けようと、夏にテキサス州から戻

永久の別れ、家はどうなる?【#13 家にまつわるストーリー】

衰弱が目に見えて進んできたので心配でした。病院と電話で話したり、キモを初めてからずっとお世話になっているナースも気にかけて連絡をくれましたが、もう「打つ手はない」というのが実態でした。 それまでかかっていた病院は自宅から150km離れていて通院だけでもたいへんでしたので、自宅から近くの病院に変えて抗癌剤治療に戻れないかという相談をしていたところで、衰弱が進みました。 もうキモに戻るのも体力的に無理だろうと思いました。心配した娘夫婦と次男夫婦が駆けつけてきました。娘夫婦がこ

描いたことを実現させられるのは、生きているからこそ【#12家にまつわるストーリー】

抗癌剤治療を受けていた夫は日に日に弱っていました。8月のある日のこと意を決したように言いました。 「しばらくキモ(抗癌剤治療)を休んでみようかな」 起きられないほど衰弱しているのは抗癌剤のせいだと思ったのでしょう。実際のところそうかもしれませんが、抗癌剤を投与しているから癌の進行を止めているともいえます 。 抗癌剤の影響で、食べ物の味も変わり、食欲もなく食べられない日が続いています。こんなにつらい時間をただただ引き伸ばすことに何の意味があるのだろうか……?という迷いが出

大きなガレージは“オトコのロマン”?【#11家にまつわるストーリー】

配線、配管が終わると、断熱材が入りドライウォーラーがどんどん壁を仕上げていきました。 ⬆ここからの続きです。 そんな中、わたしたちが施主としてインストールしてほしい資材をネットを駆使して買い集めていました。拘りがある場合には、建築会社経由では希望のデザインや機能に限りがあるからです。夫にとっては人生架けているドリームホームなので、何かと拘ります。 照明器具、洗面台、ドア、キッチンシンク、蛇口、バスタブ、温水器、シャワーユニットetc ……コロナ禍でお店に行けないので決め

父の夢実現に向けて、手となり足となる息子たち【#10家にまつわるストーリー】

現場での必要な打ち合わせをなんとか終えて、内装工事も始まりました。外壁もどんどんできあがっていました。 【水道や排水パイプ、電気の配線が終わってから断熱材と内壁が入る】 電気配線の工事の打ち合わせのときに、セキュリティカメラ用の配線の見積もりを聞くと、1500ドルほどの追加費用がかかることがわかりました。 ワイヤレスという手もありますが、有線のほうが信頼性、安全性ともに高そうなので夫は配線したいというのです。最初の見積もり金額に入れていませんでしたが、こんな調子で次々に

ロックダウン解除で工事再開【#9家にまつわるストーリー】

コロナ禍での夫の闘病が始まりました。ストーマ造設術の後、残された治療は抗癌剤治療か、何もしないことだけとの説明を受けました。 手術を担当して下さった結腸、直腸手術専門医のドクターは、「何もしないこともひとつの選択です」とわたしの目を見ておっしゃいましたが、夫は抗癌剤治療を受けることを選択しました。 その後、治療を始めるにあたり、オンコロジスト(腫瘍や癌の専門医)と面会。コロナ禍なのでわたしたち家族はタブレット越しのバーチャル参加です。その後も抗癌剤治療に備えてのバーチャル