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個人的に気になったニュース10選[02/14〜02/20]

❶買い物時短、定番品優位

 スーパーに並ぶ商品の減少が進んでいる。2020年に食品・日用品の7割の品目で商品数が減少したとのこと。コロナウィルスの感染拡大を受け、消費者は事前に決めたものだけを短時間で買う傾向にあり、定番商品が強みを発揮する一方で、知名度の低い商品は苦戦を強いられている。アンケートでは、スーパーでの滞在時間が「20分未満」と答えた回答が41%に達し、コロナ前より11ポイントも高くなった。冷凍パスタなども商品数が減った模様。
 外食のみならず、スーパーなどで購入する一般的な消費財でも、コロナの影響が出ているとのこと。こういう傾向があるのは知らなかった。「スーパーに長時間滞在しない」ことが社会的な傾向としてきちんと存在しているというのはすごいと思う。

❷「クラブハウス」運営側は録音 急拡大の音声SNS

 最近話題になっている音声SNS「clubhouse」は、利用者に録音を禁じる一方で、運営側は会話を録音しており、個人情報保護の観点から問題を指摘する声が相次いでいる。「記録に残らないSNS」との印象が強いが、実際は英語の規約に条件つきで「録音をする場合がある」と明記されている。だが、どのような場合に消去するのか、それを本当に転用しないのか等、不透明な点は多い。
 こういう新興のアプリは、個人情報保護などの体制が甘いため、基本的にはすべて抜き取られているとみるべきで、何をいまさら、という感じはある。とはいえ、一時の熱狂も徐々におさまりつつあり、「興味がない」という声もよく聞かれることから、これからどんどん下火になっていくのではないでしょうか。流行っているからといって、よく調べもせずに飛びつくのは危険ですね。

❸ワクチン後もコロナは消えない

 新型コロナウィルスのワクチンが期待していたよりもはやく実用化され、世界中で接種がすでにはじまっている。その朗報の一方で、このワクチンがコロナを「根絶」するわけではない現実もまた明らかになっている。ワクチンは、重症化を食い止める効果はあるようだが、無症状や軽症の人の症状を和らげることはできないようだ。事態は、パンデミックから恒常的に社会に存在する「エンデミック」のステージに移行しつつあるようだ。
 ワクチンがあればすべて元どおりになる、というのが幻想でしかないことを知らしめてくれる。昨年の年始ぐらいのタイミングであれば、むしろ「緊急事態」として扱われたこの問題が、恒常的に続くものであれば当然対応も変わってくるだろう。皮肉にも、初期対応が素早かったところほど、今後の対応がシビアになってくる可能性もある。

❹バイオ燃料、もろ刃の推進

 インドネシアの国営石油企業「プルタミナ」が、バイオ燃料へのシフトを進めている。世界的な「脱炭素」の流れに沿った戦略だが、バイオ燃料の原料であるパーム油の生産のために森林伐採など環境を破壊していることを指摘され、事業の拡大はもろ刃の剣となっている。さらに、コロナによって原料の確保も高騰しており、政府からの補助金を受けてなんとかガソリンよりも安くしているのが現状とのことだ。
 バイオ燃料といえども、環境破壊とは無縁ではいられず、昨今の「環境」に対する関心が、建前だけのものではなくて、すでにそれが投資判断のひとつの基準になっている、というのも時代を表していると思う。もちろん石油・石炭のエネルギーが枯渇することも問題だけれど、それ以上に温暖化が待ったなし、といったところだろうか。

❺リスク資産にマネー流入

マネーが株式や商品に向かい、投資家がリスクをとる姿勢が強くなっている。16日には、日経平均株価が3万円台を記録するなど、高値圏を維持している。日本だけでなく、インドでも15日に最高値を記録し、仮想通貨ビットコインもはじめて5万ドルを突破した。背景には、新型コロナのワクチン普及や、経済対策による景気回復が期待されていることにある。
 今週に入ってマネー流入が加速した背景には、米イエレン財務長官が「ゴー・ビッグ(大胆に)」と発言したことにより、ワクチンの普及が進んで世の中が正常化しても、当面の金融緩和は後退しないと市場が受け止めたことにある。ただ、このペースで金融緩和を押し進めると、インフレが加速してしまい、実質所得の目減りなどを通じて景気を冷え込ませてしまうおそれもある。

❻印SNS、政治問題で「恩恵」

 インド政府に批判的なツイートをしたとして、インド政府がツイッター社に処置を求めたが、ツイッター側は「言論の自由」を理由としてアカウント凍結を拒否。インドでは、保守層を中心として、ツイッターに酷似した国産アプリ「クー」の使用を呼びかけている。
 この手の動きは中国が10年以上前に手を打っていて、その手腕はさすがだなと思う面もある。結局のところ、サイバー空間はなんだかんだいっても民主的なので、国家的によからぬことを発言しても、それを封じ込めることはできない。ならば、政府の息のかかったアプリを開発する、というのは自然な流れで、10年越しに中国の後追いをしている気がする。この流れは、おそらく他の国にも広がっていくような気がする。日本はどうかな?

❼ゲーム実況、巨大IT乱戦

 ゲームを個人でプレイして実況をする「ゲーム実況」のジャンルが成長している。コロナでの後押しもあり、視聴時間は世界で1日1億時間にも達した。人気実況者が30億円で引き抜かれるなど、プロスポーツ選手なみの競争となっている。また、実況によってゲームそのものの売れ行きに影響がでるなど、さまざまな方面に影響を及ぼしている。
 ひと昔前はニコニコ動画で流行していた「ゲーム実況」だけれど、もはや経済界でも無視できない規模に成長しているのに驚いた。コロナの巣篭もり需要で、ゲームそのものが売れていることは知っていたけれど、やはりみんな「人間の声」を聞きたいわけで、ゲーム実況に需要があることもうなづける。スポーツ選手が職業として成り立つのなら、ゲーム実況が仕事になるのも納得できるかな、と。

❽温暖化、技術革新で克服を

 マイクロソフト創業者のビル・ゲイツによる、現在のパンデミックと地球温暖化についてのインタビュー。現在の主な活動は、ベンチャー企業を支援するファンドをつくり、環境対応製品とそうでない製品の価格差を、技術革新によりゼロに近づけるところまで持っていくことだそうだ。環境対応に消極的だったトランプに代わり、バイデン大統領陣営とも話し合っている。電力をすべてグリーンにするためには、現在使っているグリーン電力の二倍半が必要となる。
 以前から慈善投資家として注目されていたが、ここにきて同氏の存在感がさらに高まっている印象だ。感染症対策は、アフリカのエボラなどがメインだったが、コロナによりその知見が生かされているという印象だろうか。

❾「疑似預金」銀行が警戒

 スマホ決済アプリの普及により、アプリ内に溜まるお金が「擬似的な預金」となっており、銀行固有の業態であった「預金」の定義が揺らいでいる。アプリへの給与払いが認められれば、この流れはさらに加速する。スマホ決済のKyashは、アプリへのチャージ残高に年率1%のポイントをつけると発表したが、混乱を招くとしてサービスの開始を見送った。 
 スマホで決済することが当たり前になると、従来の「預金」についての考え方も変わってくる。必ずしも現金で持たなくても、いつでも決済に使えるものであれば「預金」に該当することも出てくるだろう。そうやって考えていくと、販売店などのポイントも預金のようなものであり、グレーゾーンはかなり大きそうだ。

➓「空箱上場」米で400社

 買収だけを目的に上場し、自らは事業を行わない「特別目的買収会社(SPAC)」の存在感が高まっている。年初からの買収額は9兆円近くになり、米M&A市場の約3割に達する。だが、乱立によって買収先探しも難しくなっており、300社ほどが買収先を模索している状態だという。EVや自動運転車など、流行しているスタートアップがそれらの恩恵を受けているが、直近では赤字の会社が多く、危うさも出てきている。
 買収することが目的で、自ら事業を行わない企業が上場できるのが米国のすごいところだけれど、その数も400社近くにおよび、投資先を模索している状況にあるようだ。アイデアと実績があれば、こういった会社の投資を呼びかけて急成長できるのが米市場ということですかね。

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