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個人的に気になったニュース10選[04/04〜04/10]

❶瀬戸際の鉄鋼1 「がくぜんとした」

 3月、日本製鉄社長の橋本社長が取締役に提示した中期経営計画。生産能力を2割減らし、人員を1万人規模を合理化するという内容だった。1年前にも大規模な合理化を発表したばかりで、関係者に衝撃を与えた。「作れば売れる」という感覚が抜けきらず、アベノミクスで事業環境が好転していた点も、現状の認識を誤らせる要因のひとつになった。
 時代が移り変わっている中で、設備や組織の再編を迫られる業界は本当に大変ですね。新しく作るのはまだいいけれど、縮小、撤退、再編、どれも一筋縄ではいかないでしょう。

❷富岳、「全計算力」でAI開発

 理研は、世界最高峰のスパコン「富岳」を使って、優れたAIを作り技術革新を目指す。22年には、富岳のすべての計算能力を使って世界最大のAIを試作する。これまで、大量のデータを読み込ませても性能があがらないことが多々あったが、学習方法が進歩し、データ量によって性能が高められる見込みがでてきた。
 AI隆盛の時代において、スパコンの重要性はますます高まってますね。「計算させること」はもとより、分析のために大量のデータを「読み込ませる」作業が必要なんでしょう。

❸英ファンド、東芝に買収提案へ

 アクティビスト(もの言う株主)との対立が深刻化している東芝に対し、CVCキャピタル・パートナーズが買収を提案。買収にあたり、業界の慣例で3割程度のプレミアムをのせ、2.3兆円ほどの金額を提示している模様。
 かつての巨額損失が表面化して、上場廃止を阻止するために招き入れたアクティビストとの対立が深刻化し、それを一掃するための買収提案。もちろん企業再建というのは簡単ではないのだけれど、目先の利益のために安易に増資すべきではない、ということですね。

❹法人税下げ競争に転機 米財務長官「最低税率で協調」

 長く続いてきた法人税の引き下げ競争が転機を迎えている。80年代には英国の法人税は50%近くあったが、そこから引き下げ競争がはじまり、各国が下げるように。英国は現在では19%まで下がっている。コロナ禍がその転換点となり、財政支出をまかなうため、現行の21%の法人税率を28%にあげる計画を打ち出した。
 法人税も牛丼屋みたいに値下げ競争になってたんですね。どこかで歯止めをかけないと。でも、タックスヘイブンは当分なくならなそうですね。

❺比「国民食」ジョリビー、世界大手に挑む

 フィリピンの外食大手「ジョリビー・フーズ」が海外出店を進めている。21年は欧米などを中心に450店を新規出店する。フィリピンでは「国民食」と呼ばれるほど親しまれている同チェーンは、今後、海外展開によって拡大を図る。
 「国民食」というからどんなのかと思ったけど、内容はパスタやフライドチキンなんですね。でも、日本人がマクドナルドを食べて育つように、「子どもの頃から馴染む」のが大事なんでしょうか。海外にいるフィリピン人を目下のターゲットにしている戦略も面白い。

❻出社か在宅か、米企業が模索

 米企業が、「コロナ後」をにらみ新たな働き方をさぐっている。マイクロソフトは出社と在宅を併用するハイブリッド型を提唱するが、ツイッターは社員の希望により恒久的に在宅勤務を可能とする。こうした方針は、企業としての姿勢を示すが、同時に人材確保の面からも課題がある。
 同じIT企業でも、リモートワークを推奨するとそうでないところがある、というのは興味深い。しかし、「希望する社員を完全に排除する」ことはできないんだろうな。リモートワークも、結局はインフラなんだなと感じる。

❼強い会社は「学びの場」

 ノルウェーの教育系スタートアップの「カフート」が上場した。同社のサービスを使えば、誰でも簡単にゲーム要素を取り入れた教材を作ることができる。企業に生涯勤め上げ、新たに「学習」をしないでもよかった時代が終わり、常に「学び続ける」需要が高いことがうかがえる。
 転職はもはや当たり前になりつつある今、スキルや知識を自分の「資産」と捉える人が増えているのかも。「誰でも教材が作れる」というところがポイントですね。さまざまな企業の文化やスキルを、「知らない人にも継承していく」ことが前提になってくるのかもしれません。

❽東京・京都・沖縄に「まん延防止」適用

 政府は4/12から新型コロナウィルスの緊急事態宣言に準じた措置として「まん延防止等重点措置」を東京に適用。モニタリング会議では第三波を超える感染拡大が危惧され、第四波を抑える措置として検討された。緊急事態宣言と要請内容は似ているが、罰金の過料金額の上限などが異なる。
 結局、これだけでは抑えられずに、緊急事態宣言が発令される事態に。そもそも、時短要請自体がナンセンスです。むしろ営業時間を伸ばして分散させるほうが筋かと。

❾イオン、最終赤字 過去最大710億円

 イオンが9日に発表した2021年2月期の連結決算は最終損益が710億円の赤字と過去最悪だった。デジタル部門で先行するウォルマートを見据え、デジタル関連の売り上げで一兆円を目指すが、まだその道のりは遠い。23年に千葉市ではネットスーパーに対応した自動倉庫を稼働させる。そのため、年4000〜5000億円の投資を計画している。
 コロナの影響もあるけれど、やはり時代はネット経由での買い物に向いていて、コロナはその動きを加速したにすぎないような気がします。

➓「特別な日米」喜ぶのは早い

 就任三ヶ月のバイデン新大統領がホワイトハウスに迎え入れた最初の外国首脳は菅首相だった。外相、防衛相などのハイレベル会談をこなし、「日本重視」の姿勢は突出している。困難を抱えるバイデン政権にとって、よくいえば「頼りがいがあり」、悪く言えば「使い勝手が良い」と思われている公算が高い。ただ、現状周りを固める大統領側近に知日派は少なく、この状態がいつまでも続くとは思わないほうがよい。
 日本にいると逆にこの温度感ってわからないもんですが。世界的に見たらやっぱり特異なんですかね。

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