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個人的に気になったニュース10選[05/09〜05/15]

❶GAFA課税 15%どまり

 既存の法人税ではグローバル企業の課税に対応できておらず、GAFA4社の税負担は平均15.4%で世界平均の6割にとどまることがわかった。世界展開しているネット企業は知的財産などを低税率国で持つことが多く、製造拠点をもつ電機・自動車・化学・素材エネルギーなどの業界平均の30.7%を大きく下回る。
 GAFAは税負担を減らすために、高インセンティブの税理士や弁護士などを多数雇用しているというのもよく聞く話ですが。各国は法人税負担をあげる議論が最近白熱してますが、一方で税負担を極端に減らしているタックスヘイブンなども世界にはあるわけだし、どう決着するんですかね。

❷11~17日 3カ国、九州で離島防衛訓練

 自衛隊は、初となる日本国内での演習をフランス軍と共同で実施する。陸上自衛隊からは離島防衛の専門部隊「水陸機動団」を中心に100人が参加、米海兵隊と仏陸軍からはそれぞれ60人程度になる見込み。沖縄県の尖閣諸島周辺で中国が活発な動きを見せており、米のみならず欧州主要国とも連携する姿勢を示している。
 フランスは太平洋地域にニューカレドニアなどの領土をもっており、この地域の重要性に気付いたということですが、どうなんでしょうか。

❸官僚たちに春は来るのか

 この春、過酷な残業などの勤務環境やコロナ禍による地方志向の高まりがあり、国家公務員採用試験のキャリア職の志願者が前年より14%減った。一方で、民間企業と比較すると育児休暇取得を例にすると取得率は高い傾向にあり、一概に待遇が悪いからが原因、とはいえない。官僚人気の落ち目には、根が深い構造的な原因があるのではないか。
 いまの日本の統治システムに対する失望感などもあるんでしょうかね。官僚が優秀であることは否定できないにしても、世の中を変えるどころか、喫緊の危機対策にも限界があることがわかってしまった、というのが要因としては大きそうです。

❹チャートで読む政治 選挙(10) 首都の自民浮沈、衆院選の試金石

 国政選挙の行方を占う7月4日投開票の都議選まで二ヶ月を切った。過去のデータによれば、都議選で自民党が全体の4割程度を占有した年は国政選挙でも勝利する傾向にある。今回の自民党公認は59人を決め、都民ファーストの会は45人を擁立。17年の都議選で惨敗し、現有議席が少ないので、現職が少ない選挙となる。
 いまの様子で自民が圧勝する未来は全く見えませんね。衆院選の前哨戦という位置づけなので、引き続き結果をウォッチします。

❺キャッシュレス最前線(上)脱・現金、コロナで加速

 仏コンサルティング会社キャップジェミニの調査によれば、2021年の非現金決済件数は5年前の7割増の8395億件に達し、23年には1兆件を超える見通し。コロナ禍においては、消費者のみならず小売業者がデジタル決済の対応を急いだこともキャッシュレスを後押しをした。世界的に進む「脱現金」の世界に適合できるかが、金融サービスを提供する事業者の未来を左右する。
 僕も今までPASMOを中心に使っていましたが、最近PayPay主体に乗り換えました。交通カードも便利といえば便利でしたが、履歴が残って、飲食店などでも使えるPayPayのほうが便利、という結論に。いったん使い始めると、後戻りはできないですね。

❻米油送管「ダークサイド」が攻撃 「技術開発型」ハッカー

 米最大規模の石油パイプラインがサイバー攻撃で停止した問題で、「DarkSide」と呼ばれるハッカー集団が、「我々は非政治的で、目的は金儲けである」とする犯行声明を出した。特徴は、彼らはハッキングツールの開発に特化し、サイバー攻撃はツールの販売先の「パートナー」に委ねており、IT業界の「SaaS」になぞらえて「RaaS(ランサムウェア・アズ・ア・サービス)」と呼ばれる。
 ハッカー集団も多重下請け構造になっていることが判明しました。まあ、武器商人と、傭兵の関係性みたいなもんですかね。ツールが汎用化してくると、素人に近い人でもサイバー攻撃できるというんだから、おそろしいものです。

❼武田(上)メガファーマ道半ば

 6兆円を投じたシャイアー買収から2年あまり、新型コロナワクチンで遅れをとり存在感を発揮できなかった武田薬品工業は「メガファーマ」として成長しようともがいている。世界大手のファイザーの資金力は2兆5000億円、ロシュも3兆9000億円だが、武田は1兆5000億円。シャイアー買収によって発生した巨額の負債が足かせになる。
 シャイアー買収時は、世界的にも例がないほどの大型のM&Aだったわけですが、少なくともコロナ禍においてはあまり存在感を発揮できていないのは確かなようです。これほどの巨大組織になると、覇権をとれないと潰れてしまう、という危機感があると思います。

❽トヨタ快走、供給網強く

 トヨタ自動車が発表した2021年3月木の連結決算は、新型コロナによる減益予想から一転して、半導体の確保などを通じて生産量を維持し、純利益が前期比10%増の2兆2452億円だった。22年3月期の純利益は2%増の2兆3000億円を見込んでいる。各地の市場で、「RAV4」などの採算の良いSUVが伸びた。
 各メーカーが半導体不足でヒーヒー言ってる中、そういった逆風をも利益に取り込んでしまうのはさすがです。

❾ソフトバンクG、赤字一転し国内最高益に

 ソフトバンクグループが発表した連結決算は、過去最大の赤字だった20年3月期から一転し、国内企業の純利益では過去最大となる純利益4兆9879億円を記録した。現在のソフトバンクグループは投資を主軸としており、世界の有望スタートアップに投資する「ビジョン・ファンド」の投資事業の利益が全体の7割を占める。
 もはや同社は事業会社ではなく、バークシャー・ハザウェイのような投資会社だと見るべきですね。ずいぶん謙虚な発言が目立ちましたが、謙虚というよりは、「ギャンブルで一山当てた」感覚が本人にもあるからかもしれません。

➓講談社など、書籍流通参入

 講談社と集英社、小学館は、丸紅を加えた4社で共同出資会社を設け、全国の書店に書籍や雑誌を届ける流通業をはじめる。出版大手3社は紙の出版市場で約3割のシェアを握っているが、出版流通は日販グループホールディングスとトーハンの2社による寡占状態で、出版社が流通を担うのは異例だとされる。
 アマゾンが出版社との直接取引をはじめたとき、「業界の慣習」が話題になりましたが、ついに出版社も慣習を打ち破るべく動き始めたということですね。業界の変革期なのかもしれません。

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