見出し画像

得するより、損したくない

小学生の子供二人が、いつもYoutubeやプライムビデオを見ていました。そこで、1日1人30分、2人で1時間という制限をかけましたが、口頭だけでは守りません。管理するのも面倒ですし、自主性も生まれません。

そこで、実験をしました。結果、1日1時間以上 → 1週間1時間と、7分の1以下に減りました。本当に、人は損したくない生き物だと実感しました。

これをビジネスに活かして、リピーターを獲得しようと、みんな躍起になるのも頷けます。

実験内容

・1回30分Youtube等を見ることができるチケットを作る

・1週間で1人5枚、合計10枚発行

・1週間後、使わなかったカードは、1枚0.5ポイント、2枚で1ポイントに変換

・1ポイントは、子供が今ハマっているポケモンカード1パック買える金額(165円)

・30ポイント溜めると、4950円分が自由に使える。

・読書を1時間行い、その内容を話せば1枚追加でもらえる(何枚でも)

【補足】

我が家では、お小遣いは無し。ただし、読みたい本は好きなだけ買ってOK。おやつも買っているので、基本子供がお金を使うことはありません。

実験のポイント

・チケットは、しっかりとした厚紙で作る。特別チケット感が重要

・ポイント表を作り、進捗を実感できるようにする

・4950円(約5000円)と、まとまった大きな買い物ができる→ポケカボックス買いができ、switchソフト(主に中古)が買える

・事前に、Youtubeを1時間見ると、165円損する。ポケカ1パック捨てることになると伝える

結果と所感

・Youtubeの視聴時間が、1日1時間から、1週間最大1時間と7分の1に(2周間に1回ほどの割合で、チケット1枚も使わない週がある)

・読書で1枚もらえるのに、6ヶ月で2枚しかGetしない。もらえることより、損したくない。

・1週間最大5ポイント、7-8週間で30ポイント4950円溜まる。その4950円のお買い物が楽しみに。お小遣いにすると、2人2ヶ月で5000円=1人1ヶ月1250円

・Youtubeを見ていた時間の半分くらいは、勉強するようになった。残り半分は、折り紙やポケカ、兄弟で○○ごっこをするなど、動画を視聴するという与えらるだけの受動的なものから、能動的な遊びをするように変化した。

・常に動画が頭にある状態から、自分で「楽しむ」ことを考えるようになった。暇は、頭と体を使う。

これを仕事に活かすには

様々なショップでポイントカードやアプリがあります。Tポイントや楽天ポイントなどが筆頭ですね。各ショップが発行するオリジナルポイントは、正直使う機会が少ないので、私は集めていません。カードもいらないし、アプリもいらない。ポイント管理コストの方が高くついて、煩わしく思う人が増えていると思います。

カラーコーディネーターのような個人事業主が、独自ポイントや回数券を発行しても、うまくいかないケースがほとんどです。

それでも、私がまだサロンを運営していたら、今回の子供チケットを応用して、実験してみたいです。

【方法】

・90分15000円の対面カラー診断。2000円の色見本とアドバイスシート付き(何か物がもらえる)

・更に3000円分のチケット付き。しっかりとした厚紙・オリジナルデザインで作成。次回から割引に使える。使用期限は1ヶ月後(制限を付けることで煽る)

・クローゼット診断4000円、メイクレッスン4000円、同行ショッピング8000円など、割引を使えるリピート用講座を用意し、リピーター獲得へ

・翌日以降に来店してもらえたら、3000円の現金に交換できる。つまり、交換しないと3000円損する状態を作る。割引チケットだけだと、ドラッグストアの割引レシートよろしく、使わないで捨てても心は傷まない。現金に変えることができるチケットは、ゴミ箱に捨てるのはなかなかキツイ。損したくない

・店内に、500-3000円のグッズを用意。現金に変えるだけでは「何だか悪いし」と思う人の逃げ場として、ワンコインでも買える商品を用意する。診断時にこの商品を見てもらい、頭に刷り込む

・3000円チケットは、友達にプレゼントできる。もらった友達はすぐに使える。15000円のカラー診断が12000円になり、更に2000円分のグッズと3000円分のチケットがもらえる

・友達にプレゼントすると喜ばれるようにして、紹介が紹介を生むためのしくみとしてチケットを使う。単に「友達紹介で3000円引き」としない。自分が3000円の現金に交換できるチケットを、友達にプレゼントする → 「プレゼントする側が自腹を切る」という状態を作り出す


「損したくない」

「自分は損して、友達に喜んでもらう」

「友達は、自分のためにお金使ってくれたんだ」


対面でのサービスがメインのカラーの仕事において、しっかりと作られ、実態のある「チケット」は、数字だけで実体のない「クーポン」よりも、伝わるものがあると思います。

子供の実験で、実際は損しないのに、「損するかも」と思える状態(ルール)を作り出すことが、重要だと感じました。