ちょっとアレな設定

○○さんは？

ああ、あの人は、
ゆうべお酒飲んでるから、午後からだよ。

社用か私用かは分からなかったが、
○○さんとやらは酒を飲むと午前中は駄目らしい。

常駐先で耳にした会話。

どうやら有能な人らしい。
それゆえ、あの人もアレさえなければねー、で済んでいるようだ。

甘えの一種なのだろうが、
そのくらい強力な武器が欲しいと思った。

その数年後。

似たような、いや、似て非なるか、
私もそんな特別な設定？を得るに至った。

あの人は、台風の朝は、来ない。

いや、当たり前だろう？
という感覚は、どうやら超少数派であるようだ。

台風である。

なにか飛んでくれば怪我をするかもしれない。
事実、壊れたビニール傘に襲われたことも何回かある。

通勤時間は倍かそれ以上。
待つし、混むし、蒸すし、隣の傘で濡れるし。

足元も、膝から下はずぶ濡れ、靴の中はぐちゃぐちゃ。
オフィスはそこはかとなく靴下くさい。

仕事をするためなのか、
それとも会社への忠誠心を示すためなのか。

いつぞやの台風では。

いかに遅刻しないか、で、
２時間前に出た、いやこっちは３時間前だ、と。

嬉しそうに語る皆さまを遠くで眺めていた。
皆さま揃って定時出社だったそうだ。

なんだか、もう、羨ましいよ。