見出し画像

たそがれ煎餅 - 555文字

発注ミスである。

とはいえプライベートである。
タカが知れている。

桁を間違えたとか、
単位が箱だったとか。

それはさすがに気付く。

確かに「びみょーに高いな」とは思った。
で、よくよく見てみたら ×2とあった。

ともあれアトの祭りである。

届いたダンボール箱の大きさに、
あれ?、なに買ったっけ?

納品書。
注文履歴。

なるほど。
そういうことか。

かくして、袋入りせんべいの山ができた。
机の上に積まれたそれは、なかなかに壮観であった。


実は。

この前日、たまたまだが、
近所のスーパーでせんべいを買った。

賞味期限切れ間近。
半額。

まとめ買いをした。

賞味期限なんぞ、
少しぐらい過ぎたところで、ね。

と、誰かに言い聞かせて、
買い物袋をいっぱいにして帰った。


せんべいの、山。

それが2つ。

連山、とでもいうのか。
せんべい連山。

違うか。

まぁ、買ってしまったものは仕方がない。

それに、これだけあれば
年末年始も安心に違いない。

これが10月の中旬のことであった。


で、12月の中旬。

あれ?

なぜ?
どうして?

疑問符だらけである。

いうまでもない。

せんべい連山はいつの間にやら平野となっていた。
これをせんべい平野と呼ぶべきか。

いや、せんべい跡地か、
それとも、せんべいの古戦場とでも‥‥。

それにしても、いったい、
なにがどうしてこうなったのか。

謎である。
永遠の謎なのである‥‥。


サポート → 甘味 → 脳ミソの栄養 → 記事 → 🙂