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一瞬、そして、永遠の、緑

頭頂部が緑色。

あまり見ない光景かと思う。
緑髪、緑系の帽子もマイナーではなかろうか。

非難しようというわけではない。
私の世間が狭いだけかもしれない。

が、まぁ、そういうのは置いといて。


ロードバイクで荒川へ。

場所はよく分からない。
北千住のあたりだったような気もする。

すれ違った中年男性。

頭頂部が緑色だった。


理由はすぐに分かった。

葉っぱが乗っている。

変化する時の狸ほど小さくなく、
コロポックルの蕗の傘ほど大きくもなく。

A4か、B5か。

そんなサイズ感の葉っぱを、
頭に乗せて、颯爽と歩いてらした。


緑色の理由はすぐに分かったが、
葉っぱを乗せている理由は分からない。

ん?、いまの、なんだ?

から始まり、記憶を呼び戻し、
ああ、葉っぱか、に至るまでの時間。

それはせいぜい数秒であろうが、
それでも既にそれなりに距離はあいている。

引き返すか?
なんて聞くのか?

あれ?、待てよ、なんか、どこかで見たな。
ああ、思い出した。あれか。

もしかして、トトロですか?

そんなアホなことを考えているうちに、
引き返して確認する選択肢も消えてしまった。

ゆえに2つ目の「なぜ」は永遠の謎となった。


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