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春霞(哀悼)

貴女が旅立ってからひとつ季節がすすみました。
私だけが取り残されたような錯覚を覚えたまま周りは普通に過ぎていく。
最後に届いたメッセージの文章が貴女の声となって頭に響く。
それは生に満ちていたように聞こえる。
一番驚いたのは貴方自身かもしれないね。
潔い性格の貴方はきっと後悔は無かったのかもしれない。
すんなりと自分の運命を受け入れ「ま、いっか」と苦笑いしている姿が見える。
本当にいなくなってしまったと思うのは貴方に何気ない話をしようとする自分にもうそれは出来ないのだと突きつけられる現実。
ぽっかりと心に穴が開いているのを認めなくてはいけない現実。
いろんな悲しい現実を貴女は私に見せつける。
それでも笑って過ごしてやるんだ。
何十年後になるか分からないけれど私も「ま、いっか」と言って貴女と同じ世界に行くのだろう。
まだ肌寒い春霞。
綺麗に晴れるにはまだまだ時間がかかりそうな私自身だれど私は私の生を完結させるから。
貴女が悔しがるほど生きてやるから。
聞きたいことがたくさんあるよ。
質問攻めにしてやるんだからその時は覚悟して待ってってよ。
貴女はとてもいい最高の友人だった。
今もこれからもずっと。



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