【まとめ】確率思考の戦略論 第五章 市場調査の本質①

市場調査の本質は、プレファレンス(相対的好意度)とその仕組みを解明して、マーケティングの決定者に提供することで、成功確率の高い戦略を選択できるようにすることです。

調査は主に仮説を生み出す「質的調査」と仮説を検証する「量的調査」に分かれます。

質的調査の具体例)消費者の観察、訪問インタビュー、1対1のインタビュー、フォーカスグループ・インタビューなど

量的調査の具体的)カテゴリーの商品の使用実態の調査(Habit & Practice)、製品のパフォーマンス・テスト、コンセプト・テスト、TVCMのテスト、パッケージ・テスト、商品名のテスト、商品が市場に出てからの消費者の使用率と現実の商品評価の調査(Usage and Attitude Study)など

余談ですが私が現職でお世話になっている大手食品メーカーのお客様のパターンでは定性、定量調査の比率が7:3程度です。
ひたすら定性調査でコンセプトを磨いてから、上市前の最終確認として定量調査を実施する事例が多いです。

筆者の今西氏は1980年代、P&G調査部で洗剤の担当していた。洗剤の製品特性として、製品パフォーマンスがプリファレンスの三要素の内最も相関の度合いが高かったと。

この場合の有効な調査手法として「シングル・プロダクト・ブラインド・テスト」があげられます。
このテストではブランド名を伏せて洗剤、紙おむつなどのカテゴリーの名称だけが書いてある白いパッケージで自社の製品と他社の製品を比較してもらいます。
ブランド名、価格を伏せて製品を呈示するため、プレファレンスを構成している三つのドライバーのうち製品パフォーマンスだけを測定することができます。

最近の調査だと一つの調査の中でブラインドテスト実施後に同じ対象者にブランドオープンのテストを実施することが多いです。
二つの製品評価を比較することでブランドエクイティの影響を測定することが可能です。

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