【イシューからはじめよ】2 COLUMN MECEとフレームワーク
問題を検討する場面ごとに重要な役割を果たす「MECE」と「フレームワーク」という2つの概念について説明しておきたい。
「イシュー見極めの情報収集」の場面や「イシューを分解する」場面で登場した「ダブりもモレもなく」という考え方のことをMECEという。そして、この考えを生かした汎用性の高い「考え方の枠組み」のことをフレームワークと呼んでいる。フレームワークは、イシュー見極めの場面では網羅的な情報収集に役立ち、イシュー分解の場面では汎用性をもった「イシューを砕く型」として使うことができる。
たとえば、商品開発など、「事業」を主語とした検討であれば、「3C(顧客・競合・自社)」と言われるフレームワークからはじめるとうまくいくことが多い。例を挙げてみよう。
顧客・・・新しい市場セグメントから見えてくるこのニーズの固まりは大きく、現在の主力商品ではカバーできていないために潜在的な不満は大きい
競合・・・このニーズの固まりは、競合の注力領域から見ると当面は実質無競争になりそうだ
自社・・・この領域は自社事業とのシナジーも大きく、商品の作り込みにおいて強みが生かせる
というかたちでイシューを分解し、ストーリーを組んでいく。
サブイシューを洗い出す際には「何がわかればこの意思決定ができるか」という視点で見る。「MECE」の考え方を使い、特にこのイシューを分解してロジックを組む段階では「モレなく」の考え方を大切にする。
科学にもビジネスにも、ある程度確立したフレームワークがいくつもあるが、ストーリーラインづくりに使えるものはそれほど多くはない。
危険なのは、フレームワークにこだわるあまり、目の前のイシューを無理やりそのフレームワークにはめ込んで本質的なポイントを見失ってしまう、あるいは自分なりの洞察や視点を生かせなくなってしまうことだ。
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