見出し画像

おばちゃんのアイドル考

10年ほど前、職場にいた50歳位の独身女性が
姪っ子と一緒にジャニーズのコンサートに行くと話していた。
「ウチワを作ってね。『こっち見て』とか書くのよ」
と嬉しそうに話しているのを「・・・はぁ。」と聞いていた。

テレビ大好きな私なので、もちろんその類の話は嫌いじゃない。

でも。
なんか、引いている自分がいた。
子どもの付き添いで、とかじゃなく、主体的に?
むしろ、自分が行きたくて姪っ子連れていくとかって何?
50歳でウチワ?それで、きゃぁきゃぁ言えちゃうのん?
えー・・・・・
子どもほどの歳の子に?
という感じで。

そして年月は流れ。

あの頃のあの人の気持ち。
「めっちゃわかるわぁー。」
と、大晦日のテレビ前の50代になった私。
子どもは友達と初詣に向けて出かけていた。
テレビ見放題。ザッピングし放題。
うっかり「ひゃぁ!!!」とか歓喜の声をあげても
冷ややかな視線を浴びることもない。
やだ何この時間。楽しい!

紅白やら、カウントダウンやら。
いやぁ・・・
幸せな時間でしたなぁ。
ジャニーさん、本当にありがとう。
ジャニーズ作ってくれてありがとう。
これを偉業と言わずして何と言う。

若い子のキラキラ、生命力、まぶしいわぁー。
尊いわぁー。

今、ウチワ持ってコンサートに行って、
もし、目線なんてもらおうものなら、大号泣だわ、きっと。

全然詳しくないけれど、
振り返れば、人生の中にいつだってジャニーズはあった。
でも、10代後半からはバンドとかいわゆるアーティストっぽい人に
惹かれるようになって。
アイドルについては、バラエティ番組で見ることはあっても、
歌っている姿をじっくり見ることはなかったな。

でも、ここのところ、「還ってきた」感がある。
なんだろうね。
もう、二度と湧き上がることなどないと思っていた感覚が
胸の中で暴れまくるね。

邪な気持ちじゃないの、全然。
そんな目で見ていないから。
だから、許してほしい。
寺の常香炉と同じなの。
浄めてもらっている。悪いところ、治してもらっている。
見終わった後に「ありがたい・・・」とか呟いている。

絵にかいたようなアイドルよ。
全てが設計図通りなのかもしれない。
でも、それでいいの。いや、それがいいの。
イメージを120%で具現化できるなんて、職人技ですよ。
アイドル=偶像だし。神だし。崇めていいやつでしょ。
やっぱり魂の浄化で合っているのよ。

ああ。だからか。

おばちゃんが巣鴨が好きなのとジャニーズが好きなのは
根源は同じなのよ。
納得したわー。

今年の年末も絶対見よう。
と早くも楽しみ。
「ふんふんだいなまいっおーだいなまいっ♪」と
そこしか歌えない歌を口ずさみながら、
おばちゃんは今日もひとり台所で米を研ぐ。

元気をありがとう。