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鯵の3枚おろしデビュー

大学生ももう終わりという頃、料理教室の体験レッスンに行くのがなぜか学部のなかで流行り、わたしも見事にその流れにのまれた。
体験レッスンでわたしを担当してくれたのは、なにで知ったかは忘れたが、全国でNo.1の敏腕営業マン(兼料理講師)だった。
「学割で半額」「卒業するまで授業もないならみんなで来たらいいじゃん」「社会人なってから慣れない料理するの大変だよ」今思えばツッコミどころはたくさんあったのだが、饒舌な営業文句とその場の空気、そしてなにより毎日自分が作ったおいしくない料理を食べなければならないかもしれない未来の自分への不憫さからわたしは入会を決めたのであった。

それから5〜6年。かなり不真面目な生徒なので、いまもまだチケットを消費しきれていない。有効期限もせまっているので、重い腰をあげて1年ぶりにわたしは料理教室を訪れた。

わたしが予約していたのはアジフライのメニュー。魚の3枚おろしなんてきっと家では一生しなかったと思うので、こういう経験ができるのは料理教室にはいってよかったと思う。
「案ずるより産むが安し」とはよく言ったもので、思っていたよりも簡単で、綺麗にひらけたので3枚おろし楽しかった。

そしてもうひとつよかったこと。
これは今日の話に限るけれど、なんと4人制の授業のうち、2人も友達(1人は知り合いレベルだが)がいた。結構な偶然だと思う。
しかもどちらも声をかけてくれたのはむこうからで(わたしがいかに人の顔の認識能力が低いかをあらわしている)、それが嬉しくて1日がちょっとハッピーになった。

ほくほくした気持ちはお財布の紐をゆるくしてしまうのか、なぜか家につくとわたしはぱんぱんの買い物袋(内訳はほぼ食べ物)を両手に提げていた。
散財サイコー💸

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