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さやみるきー

3
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さやみるきー(3)

3.アイドル

 秋雨の降りしきる東京の午前。

 彩たちNMBのメンバーは、会場の外の東屋でお披露目の段取りを指示されていた。

 とにかく元気よく自己紹介すること。

 ステージにいる間は常に見られているという感覚を持つこと。

 ステージに入る瞬間から、出るところまで見られているから決して気を抜かないように、とのこと。

 そして彩は初めの挨拶をする仕事も任されていた。

 なんで私なんだろ

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さやみるきー(2)

2.みるきー

 バスが名神高速道路を走り始めたころ、美優紀が隣の彩に言った。バスの外はもう日が暮れ始めている。

「彩ちゃんはなんでNMB受けようと思ったの?」

 彩は美優紀の方を見た。美優紀の後ろの窓から西日が差していてまぶしかった。

 美優紀は、彩がまぶしそうにしていることにすぐに気づいて、カーテンを閉めて西日を遮った。

 彩は「ありがと」と礼を言った。すぐに気がつく子なんだなと思った

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さやみるきー(1)

0.プロローグ

「七海、もう帰るの?」

 美優紀は帰り支度をしていた少女に向かって言った。

 七海と呼ばれた少女は美優紀の方を振り返り、「帰ります」と言って頷いた。

 美優紀は首を振った。

「あかん。今日は最後に新曲やるから見ていって」

「はい」

 七海が素直な表情でそう言うと、美優紀はいつもの笑顔を見せて、七海の頭に優しく手を置いた。

 その時、彩は東京から大阪に向かう新幹線の中

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