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放課後は永遠に――放映から10年経った今おすすめする、「けいおん!」二次創作SS・小説16選

アニメ放映から約10年(正確に言うと11年半ほど)、まさかのこのタイミングで「けいおん!」にハマってしまいました。

というのも、そもそも放映時のリアルタイムに私はまだ小学生。アニメといえばポケモンやらイナズマイレブンやらのお年頃、深夜アニメなんぞ大人の見るモノだという偏見に塗り固められていたわけで。当然、「けいおん!」なぞ箸にも棒にも掛からぬなところでした。

では、なんで今さら?みたいな話は……長くなるのでとりあえず割愛しますが、そんなこんなで放映からあれよあれよという間に10年以上の月日が経ち、そして私は今「けいおん!」にハマっています。あずにゃんは天使だし、唯ちゃんは私にとっての天使です。

でもって、とりあえず原作を一通り履修し終えたら諸般の二次創作へと移っていくのも私のような深めの(?)オタクあるあるでしょう。ちょうど「けいおん!」が流行していたころは2chを端緒とするSS(ショート・ストーリー)文化の最盛期。発掘する作品には事足りません。

……ということで前置きが長くなりましたが、以下ではここ数ヶ月「けいおん!」二次創作小説・SSを500以上読み込んだ私がオススメする、全15作品を短評を含めてご紹介してまいります!

なお私の個人的趣味により、割と未来設定多め&鬱多めです。CLANNADはAFTER STORYのほうが好きなタイプだと言えばオタクの皆々様は納得してくれるはず(?)


1. 「100円ライター」

初っ端からシリアス系。放課後ティータイムの5人が恋愛がらみでぶつかり合うお話です。女の子どうしのR18描写が入るので、苦手な人は回れ右。すごくドロドロしてて、読後に襲ってくる後味の悪さが本当に好き。
同人誌で続編が出ているらしいですが、未だそちらは捕捉できておらず……。ウェブでも公開してくれないかなぁ。

2. 「梓『ごめんね、もう休ませて。次はいつにする?』」

お次もシリアス……かな? 放課後ティータイムがメジャーデビューして、そしてその後……という作品。こういう設定はベタですが、本作ではそのベタさを昇華し切ってる感じがあってすごくいいですね。あずにゃんにはドラッグが似合います(?)

3. 「律『バンドミーティング』」

全4作(「バンドミーティング」「あごらえせうてんぽ」「Living On The Edge」「ね、私を連れ出して?それで一緒に踊るの」)からなる作品群の第一作。作品自体の完成度もさることながら、作中にしばしば入ってくる音楽ネタが個人的にはツボ。メルバ・ムーアはいいぞ。

4. 「唯『ひとりぼっちの軽音部』」

本稿では数少ないほのぼの系な高校時代のお話。唯ちゃんの唯ちゃんたる魅力や性格がとても上手に内包されている作品で、心が暖かくなる文章でした。この作品を読んでから『Utauyo!!MIRACLE』がより一層好きになった。

5. 「梓『Forest』」

いわゆる唯梓百合SS。やはりこれまた未来設定、社会人になった唯梓が再会するストーリーです。「けいおん!」に数多のカップリングあれど、やっぱり唯梓なんだよなあ……みたいな気分になれます(謎)。続編の「梓『IN FOREST』」も同じく意欲作です。

6. 「唯『われなべ!』梓『とじぶた!』」

ちょっと新鮮な関係の唯梓SS。冬の夜に自分の吐く息を眺める時間がほんの少し長くなるような、そういう情景・心情描写が魅力の作品です。同じ著者の「唯『わたしがオバさんになっても』」も名作。

7. 「平沢唯3万字インタビュー」

放課後ティータイムメジャーデビューシリーズ(?)。設定がすごく凝っていて、音楽雑誌のインタビュー記事を読んでいるようなワクワク感で読み進められます。もちろん他の4人のインタビューもありますよ。

8. 「唯『取り壊し』」

お次も未来設定。ホント未来設定多いな……。こちらは恋愛モノというより友情を感じさせる一作でした。社会人生活の淡白さと高校時代への憧憬が丁寧に描かれていて、読後感も非常に爽やかです。

9. 「澪『同じ窓から見てた空』」

「澪『永遠にともに』」という続編もある長編SS。澪梓……にあたるのかな。高校時代とは一風違った性格に成長した2人の掛け合いがテンポよく、気付いたら時間が経っている面白さです。展開もほどよく動いて読み飽きないので、「けいおん!」SS初心者の方にまずお勧めしたい一作かも(この時代に初心者がいるかはさておき)。

10. 「唯『10年後の桜高卒業式』」

基本的にオリキャラ目線の作品はあまり好きじゃないんですが、この作品は別格。オリキャラだからこそ描ける視点で、メジャーデビューした放課後ティータイムを描写した作品です。詳しくはネタバレなので言いませんが、こんな出来事があったら一生の想い出だろうなぁ……。

11. 「唯『崩壊後ティータイム!』」

放課後ティータイムメジャーデビューシリーズ。私の趣味がそろそろバレそうですねw 唯ちゃんの優しさが光る一作です。古めの作品なので少し公式設定とはズレがありますが、それを感じさせない物語の展開力が印象的。

12. 「唯『梓ちゃんひさしぶり』」

唯ちゃんがあずにゃんを「梓ちゃん」呼びするの、すごく好きなんですよね。ということでこちらも未来設定、大人になったあずにゃんが唯ちゃんの家に転がり込む話。ほどよいボリューム感でまとまっており、手軽にあずにゃん分を補給できます(?) 続編がありそうでないのがちょっと残念。

13. 「唯『夢みる少女じゃいられない』」

未来設(ry。個人的にこのSSではムギちゃんのキャラ付けが好きで、他の未来設定作品の中でも一番しっくり来るなあって感じです。基本的には高校時代と同じだけど、いろいろ社会経験もして少しだけ皮肉屋になっているというか……。もちろん物語の本筋もすごく良いですよ!

14. 「唯『大学つまんない……』」

「まあ、こうなるだろうなぁ……」みたいな現実味が猛烈に襲ってくる作品。起承転結のうち「転」が非常に秀逸だと感じた一作でした。唯に対する和の、巣立った子供を見守る保護者的キャラ付けが良い味出してます。

15. 「唯『嘘ついてたんだ……最低だね』」

高校時代のシリアスものです。ベースは唯梓の百合SSですが、その甘々さ以上にドラスティックな展開の移り変わりやキャラの心情描写が見もの! 個人的には唯梓小説・SSの中で一番好きな作品かも。

16. 「唯『りゆにおん!』」

最後の作品はこちら。「放課後ティータイムは終わった」という澪のセリフから始まる本作は、他作品とは一線を画する解像度でメジャーデビューした後の放課後ティータイム、そしてその終わりまでを描写します。まさにドキュメンタリー映画を一本見終えたときのような読後感には脱帽の一言。


ということで、以上全16作品をオススメしてまいりました。

ここでご紹介したもの以外にも、「けいおん!」二次創作には大量に良作が転がっています(そして驚くことに、今もその数は増え続けていっています)。まだまだ私も全貌は把握できてないですし……。

ぜひぜひ皆さんも、ご自分の好きな作品も探してみてくださいね。

※(2021/05/04追記)どうやら作品の数を間違えてたようなので、タイトルを「15選」から「16選」に変更してあります。いやはやお恥ずかしい……

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