雑記「ウォーキングデッドをシーズン8まで見た」

ウォーキングデッドのネタバレ注意。

いや実に面白い。ハラハラドキドキしっぱなしで、先の展開がまるで読めない。

本当に生きるための努力をすると、善悪の境界は無くなるのだと思い知った。何が良いことで悪いことなのか、まるで分からなくなる。そしてキャラクターたちは、そんな泥沼の世界でも希望を見出して生きていくのだ。

作品作りの面でも、勉強になった。「主人公とラスボスは何度も接近させた方が面白い」とか、「キャラクターの考えは状況に応じて変化させていってもいい」とか、「喋らせるんじゃなくて行動させてキャラクターの気持ちを表現させよう」とか。

「ぶっ殺してやろうと思ったけどやっぱりやめた!」って言わせるより、「ぶっ殺す!」って口では言いながら引き金を引かない方がよさそうだ。

行動と選択こそが、そのキャラクターを表現したり定義できる。それで物語を動かすことができる。

たぶんね。

あと、変化していくキャラクターは好きになりやすいことも分かった。私はキャロルという人物が大好きだ。シーズン1,2,3の辺りでは、娘を失い、わめいたり嘆いたりするだけの軟弱なキャラだったが、今では屈強な戦士へと成長を遂げている。こんな風に変わるなんて想像もできなかった。自分の弱ささえも武器にして、仲間のために本当に必要なことを成していくその生きざまは、私の心を強く動かした。

で、主人公の息子、カール。彼の死は非常に大きな衝撃だった。

だが、彼が死んでしまうことは何となくわかっていた。実はシーズン7くらいを見ているときに、シーズン9のパッケージを見たことがあったのだが――。

「あれ? なんで息子に託したはずの帽子を、主人公が被ってるんだ?

こういう時に限って勘が良かった。案の定、カールは死んでしまった。

まあわかっていたとはいえ、彼の最期のシーンは、涙無くしては見れなかった。そしてそれでも立ち上がる主人公リックには頭が下がる。こんなに尊敬できるキャラクターはそうそういない。

作品を見る者の心を動かすのは、やっぱり「別れ」なのだと痛感した。

生きているより死んだ方が衝撃が大きい。死はそれほど意味をもっている。だからこそ安易に扱うと白けてしまうのだろう。

ニーガンも良いキャラだ。初登場時、グレンという視聴者と長く寄り添ってきた重要キャラを殺すことで、決定的な悪なのだと印象付けた。すごいショックだった。グレン好きだったのに。

だが彼には彼なりの哲学があり、その上で自分が正しいと信じて生きている。多くを生かすために少数を殺す。やっていることは極悪非道ゲスの極みだが、その目的に焦点を当てると、これも間違ってないのかなという気分になってくる。

さあシーズン9だ。やっと追いついたぞ。

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