「なんでお返事くれないの?」手紙をもらって当たり前になっていた自分に息子が気付かせてくれた話
子供の手紙を大切にとってある親は多いと思う。
はじめは点だったり線だったりしていたものが、
丸や四角といった形あるものになり、
いつしか顔を描くようになる。
これ誰?と聞いて
「パパ!」「ママ!」と答えが返ってこようものなら、
「うわぁ!描いてくれたの?!」なんて
羽根が生えて飛べるんじゃないかってぐらい、舞い上がってしまうものだ。
そして字も書けるようになり、
「おかあさんだいすき」「おとうさんだいすき」なんて書かれていようものなら、この瞬間のために子育てをしてるんだって思うぐらい感動するものだ。
気づくとどんどん増えていき、お友達とのやりとりもするようになったある日。
「お母さんはなんでお手紙のお返事くれないの?」と息子に聞かれた。
心臓をギュッと握りつぶされた思いがして、急に乾いて話しづらくなった口で「ごめんね」と一言返すしかできなかった。
「もらったら返すものである」を知ってしくて、お友達に返事を書かないときがあれば、「本当にいいの?書かないの?」と書くように促していた自分。
親である自分がもらってばかりで、たったの一度も書いたことがなかったのだ。
それから手紙をもらった時には返事を書くようにしている。せっかく書いても、めんどくさがって読まないときもある。でもいいのだ。自己満足になってもいいのだ。
最近めっきりもらうことは少なくなってしまったけど、
初めて息子からもらったあのときの感情を忘れたくないから。
喜んでくれるかな、どうかなってあのそわそわした顔をいつまでも覚えていたいから。
息子の想いに応えられる自分でいたいから。
「お手紙ありがとう」
言葉だけじゃなく形でも伝えていきたい。
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