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【視唱力UP】前置きの前置き

合唱沼の住人です。こんにちは~。
合唱を楽しむうえで支えになる技量は複数ありますが、それらの向上の仕方について、少しずつ書いていきたいと思います。大人の方を想定しています。

しばらくは「楽譜(音符)を見て歌うこと」つまり「視唱力UP」をテーマに書いてみようかなと思います。

合唱と言えば歌うことなので、上達の大きなカギを「発声」「声の出し方」と考える人も多いと思います。正解!とても大事!

同時に、他にもいろいろ大切な要素がありまして(詳細は今は省略)、混然一体、毛玉みたいになっているのが合唱です。それらを一度ほぐしてばらして小さくして、技量に合わせてバランスよく組み上げていくと、周囲の音もよく聴けて、本番はもちろん、合わせ練習が常に楽しい♪という幸せな状態になります。

今回「視唱」について書くのは、合唱ではたいがい「楽譜」を使うからです。作曲家からのお手紙、地図、暗号文。中身を読みとって、それを声にのせてみんなと奏であい、音で描いて、全貌を共有するのが合唱のだいご味の一つです。

楽譜、音符情報は、音取りやパート練習、今ならPC等で音取り用音源もさくさく作れてしまうので、データを共有すれば「耳で覚える」ことが可能です。

一方、「視唱」は文字通り「視て唱うこと」。「目で覚えるの?」と思うかもしれませんが、実際には、目で見て得た情報から自分の内側で音を想像&鳴らして歌うことです。音源を聴いて覚える時、外の耳をたくさん使うとすれば、「視唱」は内なる耳をたくさん使う技量。両方をバランスよく育てるのが大事だと考えています。

ですので、「視唱」では、ピアノなどの鍵盤楽器や模範演奏・音源を使わずに、楽譜上の未知の旋律(音符の連なり)を見て読んで、自分の声のみで歌えるようになるのがゴールです。出だしの音を「音叉」一本で取れるところまでいけたら最高です♪自らが楽器、これもきっと立派なSDGsですね。

ところで、この「視唱」なんですが、音楽教育や指導に携わる人たちの間では用いる手法(唱法)にいろいろ意見の相違があります。具体的には「固定ド」唱法、「移動ド」唱法のどちらを用いるかです(どちらでもない方法もありますが、ここでは省略)。

詳しくは次回に譲りますが、私自身は「固定ド」唱法で討死し、「移動ド」唱法で復活しました。固定ド唱法では、「ピアノなどの鍵盤楽器や模範演奏・音源を使わずに、楽譜上の未知の旋律を読み、自分の声のみで歌う」という技量を体得できなかったのですね。私のお仲間(討死仲間)、結構いるんじゃないですかね。

ちなみに、この「固定ド」も「移動ド」も音符の呼び方(読み方)です。「移動ド」は俗称のようなもので、正式名称を「階名」といい、階名を用いて視唱することを「階名唱」と言います。一方、「固定ド」と似て非なるものに「音名」があり、音名を用いて視唱することを「音名唱」と言います。音名と固定ドは実は完全に一致するものではないのですが、イコールとする考え方の方が(今は)主流で、これが過去の私のような討死者を量産していると私は考えています。これらの言葉と用い方の混乱を整理することで、視唱力UPに向けたスタートラインに立ちたいのでございます。

なお、私は、自らの経験もあって個人としても指導者としてもゴリゴリの「階名推し」ですが、「固定ド」で音楽を読んでいる方々の方が音楽専業の方には多い気がしますし(肌感覚ですが)、愛好者の皆様にも「固定ド」に親しんで育った方々が多いと思います。私自身は、「固定ド」「移動ド」問題は、麺類をお箸で食べるかフォークで食べるかの違い、どの道具を用いるかの違いと考えています。結局は、美味しく食べられて幸せで健康に生きていければよいので、それぞれが快適と思う方法が一番。無理に別の方法に「矯正」する必要はありませんし、他の方のお気に入りの道具や方法に口を出すことは控えたい…というスタンスです。今は。

ですので、視唱が今既にできる人、困っていない人は、スルーしてくださいね。音楽の山には登山道が複数あるので、それぞれの好きな道で登りましょう♡

これまで楽譜を手にしても誰かの助けや音源がないと歌えなかった方や、これから新しく楽譜を見て歌う技量を身につけたいと思う方、これまでとは異なる方法「も」学んでみたいという方には、ちょっとはお役に立てるかと思います。そして、これから子供に何か音楽の習い事をさせたいなとお考えの大人の方にも、知識として知っておいてもらえるとよいのではないかと思います。

前置きの前置きみたいな内容になりました(笑)。
それぞれの言葉を使うだけで意味を細かく整理していないので、「????」となる方もいらっしゃるかもしれませんね。

子供であればとにかく体験!!たくさん遊んでたくさん歌って、知識は後から知る方がよいのですが、大人の場合は、既に経験も知識も豊富ですし、noteでは文字でお伝えすることになるので、知識の整理を先にする方がわかりやすいのではないかと考えこんな風にスタートしてみました。

次回は、視唱力UPのカギの一つ、音の名前の呼び方・読み方の整理をします。

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