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2019年に世界でちょっと良くなったこと〜FACTFULNESSファクトフルネス〜

ビルゲイツ氏に薦められて(ビルゲイツ氏のツイートを見て)、こういう記事を読みました。

邦題を付けるのであれば「2019年に世界でちょっと良くなった20のこと」でしょうか。

日本でも流行し、2019年ベストセラーとなった「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」

世界中でも大ヒットしました。本の帯では、ビル・ゲイツ、バラク・オバマ元アメリカ大統領も大絶賛しています。

「名作中の名作。世界を正しく見るために欠かせない一冊だ」―ビル・ゲイツ
「思い込みではなく、事実をもとに行動すれば、人類はもっと前に進める。そんな希望を抱かせてくれる本」―バラク・オバマ元アメリカ大統領

本書は、事実に基づく世界の見方を教え、とんでもない勘違いを観察し、学んだことをまとめた一冊です。Amazonの説明から抜粋しますと、

◆賢い人ほど、世界についてとんでもない勘違いをしている
本書では世界の基本的な事実にまつわる13問のクイズを紹介している。たとえば、こんな質問だ。
質問 世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?
・A 20%
・B 50%
・C 80%
質問 いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?
・A 20%
・B 50%
・C 80%
答えは本書にある。どの質問も、大半の人は正解率が3分の1以下で、ランダムに答えるチンパンジーよりも正解できない。しかも、専門家、学歴が高い人、社会的な地位がある人ほど正解率が低い。
その理由は、10の本能が引き起こす思い込みにとらわれてしまっているからだ。

著者へのインタビュー動画もあります。

まだ読んでいない人には、ぜひ読んでいただきいです。

さて、そんな「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」を読んでいたので、冒頭の記事に目が止まりました。

世界ではイラク、アメリカの対立による世界情勢やオーストラリアの大規模火事を引き起こした気候変動など、あまり良くないニュースばかりが入ってきます。

でも本記事では、「世界はよくなってることもあるよ〜」と紹介してくれています。

冒頭の記事は、翻訳はされていないようです。より多くの日本人に読んでほしいなと思ったので、(かなり意訳つきだが)翻訳してみました。

英語ができる人は、ぜひ原文を読んでください。

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今年(2019年)の12か月間、世界は混沌とし、不安定になり、時には終末論的であると感じました。

有害なナショナリストの動きが世界中に広がっています。民主国家の政治は、ますます二極化しています富のギャップは拡大し続けています。そして、気候変動は、世界的なイッシューになっています。

押し寄せる悪いニュースが、隠してしまうものがあります。それは、人間の文明の長い歴史を見たとき、改善し続けているものがたくさんあるということです。

暗い噂が漂った2019年の一年の印象とは対照的に、2019年が地球上で人間が生きるのに最適な時期がであったことを示す20の具体例があります。

編集者のメモ:グローバルデータを収集するには1〜2年(またはそれ以上)かかることが多いため、この記事に示されている数値の一部は2017年または2018年のものです。ただし、すべては2019年に新しく公開されたものです。

環境/気候/エネルギー

現在、人間の文明と自然との関係について”楽観的である”理由を見つけることは困難です。

地球上でもっとも賢い人たちは、人類のライフスタイルに世界的な変化がなければ、次世代において人類は壊滅的な気候変動に直面する運命にあるとのレポートを発表しています。

それにもかかわらず、過去1年間に環境、気候、エネルギーの世界でいくつかの前向きな進歩がありました。

人類は、生物多様性の保護のために地球上の多くのエリアを保護するようになりました。

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さらに、大気汚染による死亡者数は減り続けています。

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同時に、世界中でますます多くの人々が電気を利用できるようになりました。

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全エネルギーの利用量における再生可能エネルギーの割合は、史上最高に達しました。

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再生可能エネルギーの利用が増えているのは、主に、再生可能エネルギーが化石燃料との価格競争力をますます高めていることによるものです。

これまではほとんどの投資家が石油とガスばかりに投資をしていましたが、今では、再生可能エネルギーにも投資し始めているます。

ブルームバーグのデータによると、こうした企業は2019年に約70件の再生可能エネルギーの取引を行いました。(原文:In 2019, such companies sealed some 70 clean-energy deals, according to Bloomberg data.ちょっと翻訳が違う気がします。)

そして、一方、投資家は化石燃料関連の銘柄を急速に売却し始めています。

環境アドボカシーの非営利団体350.orgが行った分析によると、2014年から2019年にかけて、化石エネルギーの売却額は、5 Billion $から11.5 Trillion $と増えて、伸び率22,000%と、とてつもなく大きくなっています。

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繰り返しになりますが、地球温暖化に対してやるべきことは、まだたくさんあります。

しかし、これらは、世界の温暖化対策に関する取り組みが現実と調和し始めていることを勇気づけするサインです。

経済社会開発

昨年、人々が自分の生活を改善するであろうリソースを受けられる人々の数は、総じて拡大してきました。

電気は重要ですが、安全な飲料水はさらに重要です。

世界保健機関(WHO)と国連児童基金(UNICEF)の最新データは、世界人口の大部分がこれまで以上に安全な飲料水を利用できることを示しています。

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世界規模で、誰が金持ちで誰が貧乏で、どのように富が分配されているかを判断することは非常に難しい場合がありますが、ほとんどの方法論は一致しています。

2019年はこれまでの歴史の中で他のどの時点よりも多くの労働者が安全に生活するための資金獲得の手段(Financial Means)を持っています。

下のグラフは、一人当たりGDPの変動を示しています。

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ヘルスケア、安全な飲料水、信頼できる電力、および金融資本へのアクセスはすべて、世界中の親の大多数が最も関心を持っていることの1つに大きな影響を及ぼします。すなわち”教育”です。

他の指標が上昇し続けているのと同様に、グローバルリテラシーの割合(読み書きできる人割合)も上昇しています。グローバルリテラシーの割合は、教育全体の向上率を示す上で、かなり良い指標になっています。

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同様に、世界中の小学校に在籍する生徒は、これまでよりも高い割合で学校教育を終了しました。つまり中退する人が減っているということです。

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男女共同参画とLGBTの権利

さらに良いニュースは続きます。

国連教育科学文化機関(UNESCO)によれば、小学校を卒業する男女のギャップは年々小さくなっています。30年前は9%以上あった差が、2018年には0.6%になっています。

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他にも、昨年において世界の男女平等が進歩していることを示しているデータがあります。

国連のデータによると、たとえば、結婚して10代の子どもを産むことによって搾取されている思春期の少女はますます少なくなっています。

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そして、最高レベルで男女共同参画を達成するためのマイルはまだあります。

しかし、少なくとも、世界中の有権者は賢明であり続け、毎年、より多くの女性議員を就任させています。これらのデータは、議会間連合によって追跡されています。

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もちろん、これらは比較的わずかであり、世界経済フォーラムは、現在の格差解消スピードでは、さらに100年かかると予測しています。

しかし、少なくともトレンドは正しい方向に向かっています。

健康

おそらく、世界全体の健康状態を評価する最も単純な(過度に単純化されている場合)方法は、平均余命を調べることです。

そして、その面では、世界は実に非常に健全に見えます。国連人口局(UNPD)によると、2017年に生まれた人は、平均して世界中で72.4歳であり、統計を行なっているここ60年近くの中で最も高い数となります。

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人間の健康において継続的な改善が行われています。主な理由の1つは、妊娠と出産における新生児と女性のための効果的なケアモデルが広がっているためです。

乳児死亡率と妊産婦死亡率の両方が、これまでの歴史上で最も最低の値に達しました(少なくとも世界的には。米国はこれらの面において失敗しているユニークな国です)。

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平均寿命が延びたもう1つの理由は、世界中でますます多くの人々が、必要不可欠なヘルスケアサービスにアクセスできるようになったことです。

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もちろん、”66%が受けられる”ことは、3分の1の人々がまだ基本的な医療を受けられないことを意味します。

しかし、我々はすべて同じように真の進歩を遂げています。

特定の病気のレベルに掘り下げていくと、公衆衛生における最近の成功の魅力的な例の1つは、AIDs/ HIVに対する世界的な対応であり、これにより予防と治療の両方が大幅に進歩しました。

国連のデータによると、新しいHIV感染率は史上最低であり、抗レトロウイルス治療を受けているHIV感染者の割合は史上最高です。

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最後にもう1つのグラフをご覧ください。毎年多くの人ががんを患っているのは事実ですが、医学がこのクラスの病気の治療においてますます良くなっていることも事実です。約20年で、世界のがん死亡率は約15%低下しました。

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人間の健康が、これまで類を見ないほど向上していることを示す、多くの事例のうちの一つにしか過ぎません。

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少しは世界が良くなっていることを実感できましたか?

悪いニュースばかりにとらわれず、色んなファクトを見ながら世界を見ていきたいですね。

ここまでお読みいただきありがとうございました。


最後まで読んでいていただきありがとうございます。アフリカ・マラウイに住んでるヤギです。Twitterでアフリカの日常をつぶやいていますので、日本の生活に疲れたら覗いてください。https://twitter.com/yagi_jan0607