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5000円と110円

帰り道。

車に乗る前にコーヒーを買おうと財布に目をやると110円と5000円札一枚。

自動販売機で一番安いコーヒーは120円。

渇ききった喉を潤す事を諦めて車に乗り込んだ。

片道1時間の帰り道、渇ききっていたのは僕の喉だけではなかった。

メーターに目をやると車のガソリンも底をつきそうでスタンドにかけ込む。

自動販売機では使えない5000円で満タンまで入れた矢先、お釣りの全てがポイントカードででてきた。

時刻は夜中の12時を回ろうとしている。
スタンドは無人で、チープな看板を白熱電球が照らしている。

財布の中には残された110円と多分今後使うことがないであろうお釣り入りのポイントカードが1枚。

曇りきった夜空を見ながらふと言葉にならない気持ちになった。

これがエモいか、、

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