読書の秋におすすめの10冊(その2)
前回の投稿に引き続いて、選書フェアの本をご紹介していきます。1~5冊目と比べると、今回の6〜10冊目はより気軽に読める本が多めだと思います!
読書の秋のお供にぜひご参考にしてください👍
実は、ブックファースト新宿店と同様の選書フェアが、先日西田さんと対談(トークイベント)を行った大垣書店高野店でも開催されています! ぜひお近くの方はお立ち寄り頂けると嬉しいです。
【6冊目】 仲野教授のこの座右の銘がききまっせ(仲野徹)
元大学人が書いた一番“おもろい”本
著者は元・大阪大学教授で総長選にも出た実力者。僕が関西に来てから出会った人の中でも一番“おもろい”先生です。役に立つ話を聞けるだけじゃなくてツッコミが際立っていたりどの話も最後オチがついていたりして、自然と「お笑いスキル」まで身につくお得な1冊。読み終わる頃には、きっとあなたも仲野教授のファンになっていること間違いナシ!
【7冊目】 無限論の教室(野矢茂樹)
学生時代に読んで一番刺激を受けた本
著者は東大にいた論理学の先生で、「無限」の謎を軸に哲学的な思考をどんどん展開していきます。ゼミを舞台にしていて、先生と学生のキャッチボールの中で思考を広げていける「啓蒙書とはかくあるべき」というお手本的な1冊。当時、せっかく大学に入ったからには何か「考える」ことに頭を使いたいな、という気持ちで読み進めて、すごく刺激を受けました。
【8冊目】 限界国家(楡周平)
『日本の未来・・・』とあわせて読んでほしい小説
楡周平さんは僕がいま一番注目している小説家です。「日本の未来が暗そう」と感じている老いたフィクサーがコンサルティング企業に未来予測を依頼。しかし、若い実業家との対峙で、いかに若い世代に無理難題を押しつけているか、自身の固定観念が未来を暗く感じさせているか悟るストーリー。鋭い小説家目線で、リアルな日本の将来やビジネス界で起こりつつある変化が描かれている点が秀逸です。
【おまけ】 バルス(楡周平)
安田ゼミ生のイチオシ楡周平本
大学のゼミでGWに楡さんの本を読んでくるという宿題を出して、どれが一番好みかを集計しました。そのとき圧倒的な一番人気だったのが本書。外資系巨大物流企業の配送サービスが元従業員からテロで狙われる。そこから日本の物流の仕組みや搾取的な労働環境、インフラのセキュリティ・リスクなどの歪みが明かされていくストーリーです。
【9冊目】 新版 市場を創る:バザールからネット取引まで(ジョン・マクミラン)
市場や経済の不思議を考えるおすすめの本
NTT出版から刊行されていたものが絶版になり、慶應義塾種大学出版会から新版として再リリースされました。著者は、スタンフォード大学で長らく教鞭をとっていた一流の経済学者/ゲーム理論の専門家です。市場にまつわるストーリーと、その背後の理屈が一般向けにとてもわかりやすく書かれています。「経済っぽいこと」に関心があるすべての方におすすめ。
【10冊目】 パイを賢く分ける イェール大学式交渉術(バリー・ネイルバフ)
ゲーム理論に興味のある人におすすめの本
世の中のビジネス取引は、大抵パイの分け方に失敗しています。でも、本書を通じてフェアな方法を賢く学べばウィンウィンの関係が築けるはず。著者自身も一流の研究者かつ起業家で、本書の方法を大手企業との交渉で活用して成功した事例が紹介されています。ゲーム理論的な考え方を、ビジネスや意思決定にどう活用すれば良いかが分かるイチオシの1冊です。
宇沢弘文 没後10年
そういえば、大垣書店高野店で、故・宇沢弘文氏の名著(いずれも岩波新書)が並べられているのを見かけました。
今年は宇沢先生の没後10年。僕も岩波書店のウェブサイトに次のようなメッセージを寄稿したばかりです。
ぜひ他の方のメッセージもサイトからご覧頂けるとありがたいです👇
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