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『パネルクイズ アタック25next』感想戦

とにかく不安だったのである。BSチャンネル「ジャパンネットTV」で2024年2月11日に放送された『パネルクイズ・アタック25next』に解答者として出場した。で、収録後にとにかく後悔していて、できることならここだけ撮り直してほしいとさえ思った、ある箇所があった。それは、番組冒頭の自己紹介の部分だ。あまりにグダグダで、かなり酷かったのだから。

収録の流れを超簡単に説明すると、控え室でメイク(生まれて初めてドーランを塗ってもらった)などを終えたあと、スタジオに入ってすぐ、オンエアでは冒頭に流れる「出場者の自己紹介」の撮影に入る。「うわー、いつもTVで見ているセットだー、4色の解答者席だー」と興奮している状態で、である。いや、もちろん事前に「まず、自己紹介を撮ります」とは言われているけど、非日常な空間に入った瞬間の、フワフワした状態のままで、自分のことをしゃべるのだ。「しゃべる」という行為自体が普段から人より少ないボクに取っては至難の業である。

今回は「映画好き大会」で、事前の計3度にわたる電話での打ち合わせも、ほぼ映画に関する話だけであった。前身を含めれば長寿番組ゆえ、一般人をTVに出すノウハウはしっかりしていて、打ち合わせによって「スタジオで何をどうしゃべるか」は、ある程度は事前に固めることができた。そのため最も懸念していた、谷原章介さんとの映画や映画館に関するトークは、それなりに無事に終えられたのである。だがその事前準備は、あくまで映画に関してだけだ。

冒頭の自己紹介は、「映画以外の得意なジャンルを2つ挙げて、それについての話をする」というものである。それは事前に伝えられていることだし、普段から放送を見ていれば知っていることでもある。なので全てにおいて自分が悪いのであるが、しかしまあ何も出てこない。ただただ巨大なカメラの前で焦るのみ。

得意ジャンルとして「建築」と「ミステリ小説」を挙げたが、詳細を質問されたところで何も用意していないし、しどろもどろになりっぱなし。オンエアではカットしてくれた(本当に助かった)が、具体的にどんなものが好きを聞かれ、「建築」では「黒川紀章」、「ミステリ小説」では「東野圭吾」を挙げていた。あまりにメジャーどころで、他所行きの答えだなあ。そりゃまあ、「白井晟一」(建築家)とか「斜線堂有紀」(ミステリ作家)とか挙げて、マニアックなものを知っているぜアピールするのもどうかと思うけど。それにしたって東野圭吾そんなに好きだったか。あと、2週前の放送が「ミステリ好き大会」なのに「ミステリ小説」を挙げるのどうなんだってのもあるが、収録時点では知る由もなかったので。

そんなわけで、グダグダの自己紹介は半分くらいにカットされ、オンエアでは無難なところだけを繋ぎ合わせていたのを確認して、心底安心した。編集ってすごい。もはやボクにとっての『パネルクイズ アタック25next』は、ここで終わっているくらいである。さて、その後は本番に入る前にボタンを押す練習などのリハーサルがある。実は、そこでボクに出された超簡単な時事問題が答えられなかったという失態があり、本番が始まってからもそれを引きずっていて、最初の数問はほとんど固まった状態だった。

そんなこんなで本番開始。ここから各問題ごとに振り返っています。大きい太字が正解の語句です。あ、ボクは赤の席です。

・『紅の豚』

オープニングの画像パネル問題。なんか体感では、いつの間にか本番が始まっていて、いつの間にか1問目が終わっていた。やはり緊張の度合いが半端ない。(青○→13)

1問目終了のあと、谷原章介さんとのやりとりによる出場者紹介のターン。約5年前の『99人の壁』でも披露した(丸ごとカットだったけど)「全国の映画館巡り」という鉄板ネタと新潟県の映画館・高田世界館の紹介で乗り切る。その後に同人誌「邦画の値打ち」を紹介したのは番組からの要望で、ボクから宣伝させてくれとか言ったわけではないです(←見苦しい自己弁護)。あと、テロップで「年に200本鑑賞」と出ていたけど、それは盛り過ぎ。「映画館では年100本から多い時で150本くらい鑑賞している」と言ったのと、それとは別に「自宅では多くて年50本くらい」と言ったのが合わさったのだと思う。うまく説明できなかったボクのせい。むしろキャッチコピーの「訪れた映画館130館以上」が、実は少なかったりする。

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・エイブラハム・リンカーン

「1809年2月12日、アメリカの政治家が生まれています」で始まる、『アタック25』おなじみの日付問題。2月11日が誕生日のジョージ・ワシントンが先に浮かんでいたうちに押される。日付問題は全員が対策しているので勝ち目がない。(白○→18)

・パウダースノー

こんな問題あったっけ? と思うくらい、この辺りは緊張でガチガチだった。(青○→23)

・アルフレッド・ヒッチコック

ここから映画にまつわる問題。問題文中の『バルカン超特急』で、なぜか『北国の帝王』の映像が脳内に浮かんでいた。いくらなんでも違いすぎるだろう。緊張によるパニック継続中。(白○→12)

・『世界の中心で愛を叫ぶ』

柴咲コウの歌う『瞳をとじて』が流れ、おそらく出場者全員がオリジナルの歌手である「平井堅」が答えだと思ってボタンを押したところ、「この曲が主題歌だった映画は?」というまさかの問題。そうだった、これが『アタック25』だ。よくよく考えれば「映画にまつわる問題」だし。ビクトル・エリセ監督の『瞳をとじて』が現在公開中なのは、たぶん関係がない。(青×)

・①、⑦

8つの映画のタイトルが画面に出て、その中から北野武監督の作品2つの番号を答える問題。こういうのに素早く反応できなくなっていて、年をとったなあって思った。(緑○→11)

・「A24」

7問目にして、やっと初めてボタンを押せて、初めて正解できた。それにしても、普段の『アタック25』では海外のインディペンデント映画の制作会社の名前を聞いてくることなんてまず無いので、少し驚く。

それにしても、読み上げるタイプの早押しクイズは約5年ぶりだし、人とロクに会話をしていないので、たとえば『ミッド・サマー』と音声で聞いても、あの映画かと思い出すまでにワンテンポ遅れてしまう。文字で見れば瞬時にわかるのだけれど。このハンデは早押しでは致命的。(赤○→8)

初めての赤が点灯。
先に言っちゃうと、この2問あとに赤は消える。

・『ニュー・シネマ・パラダイス』

「シチリア島」という単語だけで『ゴッド・ファーザー』を思い浮かべる盛大な勘違いをしていた。押し負けて助かった。(白×)

・直木三十五

ここから通常問題。「1891年2月12日に、ある小説家が生まれています。『南国太平記』など〜」で、押される。やはり日付問題は無理。
話はズレるが、収録日の前日夜に芥川賞と直木賞が発表されていたので、まさかとは思いつつ念のため受賞作のタイトルと著者の名前は覚えておいた。もちろん、そんなすぐに出るわけもなかった。(青○→3)

・リヤド

サウジアラビアの首都。たしかリヤドだったよなあとか思っているうちに押される。(緑○→14)

・524箇所

日本にある税務署の数を全員がフリップで答え、正解の数字に一番近い人の勝ち。オンエアでは「24×47」の計算結果として「1228」と出しているみたいだが、実は「それでは少ないと感じたので100足した」という発言がカットされていた。掛け算を間違えたわけではない。(白○→10)

・SEVENTEEN

最近流行りの歌手やグループの名前は押さえていて、SEVENTEENも含まれていたが、ファンの愛称「カラット」や略称「セブチ」はノーマークだった。特に韓国のグループはファンの愛称が重要なのに。詰めが甘い。(青○→20)

・木星、土星、天王星、海王星

多答クイズ。太陽系の惑星の中で衛星の数が多い上位4つを答える。ペナルティは無いし、ここまでほとんど押せていないので、ダメ元で挑戦してみたら一発正解した。本日2つ目の正解。よくよく考えたら外側の4つか。しかしまあ、オンエアでの異様に驚いている姿はどうなんだ。(赤○→25)

正解2つ目にして、運よく角をゲット。

・トリュフ

チョコレートのトリュフって商品名じゃないのか。(青○→16)

・和歌山県

南海鉄道の学文路(かむろ)駅の写真が出たあと、この駅は何県にあるかという問題。菅原道真に引っ張られがちだが、南海鉄道だから大阪か和歌山のどちらかしかない(しかも”県”だから実質一択)。というのは後で知った。

ところで、確証は無いのだが、これがボクへの”差し込み問題”(『アタック25』では、各出場者に向けて答えられそうな問題が一問出され、俗に”差し込み問題”と呼ばれている)だったのではないだろうか。というのも、アンケートに書いた得意ジャンルとかよく聞く音楽とか、該当しそうなものが他に無いので。たしか電話での打ち合わせの時に「去年、和歌山に行った」とポロっとしゃべった気がする。いや、高野線には乗らなかったので、学文路駅も初耳だったのだが。(緑×)

・レインボー

「先ごろ、コスメブランドのメキュモアを〜」という出だしから美容本『キレイは私で作れます』が話題のMEGUMIが浮かんだが、まったく違った。「ジャンボたかお」と聞いて、トナッピーに因縁つけられていた人だと思い出し、本日3つ目の正解。(赤○→15)

いい感じに端を埋める。

・『ドラえもん のび太と森の交響曲(シンフォニー)』

近日公開予定の映画、それも邦画アニメに関しては、ひととおり頭に入れておいたはずが、なぜかドラえもんが抜けていた。本当に何でだ。『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』は噛まずに言えるように練習していたのに。(青○→6)

・ウニ

「アカ」「ムラサキ」などのあとにつく海の生物を答える。最初の「アカ」でエイが浮かんで、そのままエイが頭から離れてくれなかった。(緑○→1)

・温水洋一

ふるさとクイズ。さっきも書いたように、早押しボタンを触るのが約5年ぶりなので、まともに勝負しても勝てないのはわかっていた。なので、他の方が押さえていなさそうなジャンルを中心に対策していて、特に「TikTokやInstagramなどで若者に話題のもの」には力を入れていた。そしたら、絶好のタイミングで「ぬくみん」が出てきて驚いたのである。本日4つ目の正解。いやあ、まったく知らないVチューバーの名前とか片っ端から覚えた努力が実った。なお、現在もうほとんど忘れています。(赤○→5)

効率よく角を2つゲット。あとカレーもゲット。
この時点で4万円は確定したので、だいぶ気が楽になった。

・3番

まずクラシックの『青く美しきドナウ』が流れた後にヨーロッパの地図が出て、ドナウ川の位置がどれか地図上の番号で答える問題。意味を理解する前に終わっていた。(白○→7)

・犬歯

急に当たり前のことを聞かれると、かえって出てこないものである。(緑○→21)

・インド

車メーカーの名前から国を答える。なんか呪文にしか聞こえなかった。マヒンドラマヒンドラ。(青○→2)

・『転校生』

神社の階段を上から撮った写真が出た瞬間に「あ、『ガールズ&パンツァー 劇場版』に出てきた大洗磯前神社だ!」と見当違いのことを浮かべていては、早押しで勝てるわけがないのである。

ところで、どうでもいいのだが、「階段から落ちるシーンが有名な日本映画といえば?」というアンケートをとったら、トップは『転校生』と『蒲田行進曲』のどちらになるだろうか。本当にどうでもいいが。(白○→17)


ここでアタックチャンスの鐘。両サイドに緑と赤が並ぶ一風変わった状態。

「ひそひそトーク」のときに「22に入れて、アタックチャンスの狙い目は11番」と言っていたが、違うんじゃないか。赤だけが入れる6番がベストな気がする。

・リーフデ号

アタックチャンス。正直に白状します。初耳の単語。(青×)

・エチオピア

引き続き、アタックチャンス。「アディスアベバはどこの国の首都?」という問題。これは知っていたけど完全に押し負ける。(白○→19、アタックチャンスの狙い目→2)

・アレックス・ラミレス

去年の12月に日本アイスホッケー連盟の理事になっていた。あれだけ時事を対策していたのに、まったく知らなかった。(白○→2)

・ヴェネツィア

カンヌ、ベルリン、ヴェネチアの中で最も歴史が古い映画祭はどれかという3択問題。放送日の4日後にベルリン国際映画祭が始まるので、それ関連の話題はチェックしていたが、そうきたか。
なお、3択問題はよほどの自信がない限りは押さないと決めていた。なぜなら、これまで『アタック25』の放送を見ていて3択問題が当たった試しがないので。(緑×)

・椎間板

「あの、ヘルニアになるやつ、なんだっけ、延髄じゃなくて」と脳内で軽くパニックになっていたが、なんとか絞り出して、本日5つ目の正解。絞り出すような解答じゃないだろうが。(赤○→22)

22番しか入れられないので、迷うこともない。

・綿谷りさ

実は収録の前々週に「みんはや」フリーマッチで作問していた(その時は著書名の『パッキパキ北京』を解答にしていた)ので、自分でも驚く速さでボタンを押して、本日6つ目の正解。書店には足繁く通って新刊の棚をチェックしていたけど、あまりに幸運なタイミングで、ドンピシャでヤマが当たったので、喜びの前に驚きが勝ってガッツポーズを忘れていた。後から慌ててガッツポーズしているのが、ちゃんとオンエアに映っていた。(赤○→24)

絶対に消えない11枚を確保。
でもまだ緑の逆転の可能性がある。

・ローズマリー

「和名をマンネンロウというシソ科のハーブ」って、けっこう難問じゃないだろうか。あ、ふと今気づいたけど、これも映画問題? ロマン・ポランスキー?(緑×)

・『シャイニング』

わかったけど早押しでは全然勝てない。しかし、結果的にアシストされる形で赤の勝ちが確定。(青○→4)

・合掌造り

合掌造りって、手のひらを合わせる合掌に形が似ているからその名前なのか。これも知らなかった。こんなに無知なやつが『アタック25』出ていいのかと、最後の最後に申し訳なくなってくる。(青○→9)

最終結果。

というわけで、まさかの優勝してしまいました。正解したのは6問で、そのうち4問が時事エンタメという偏った知識しかなかったのに。何があるのかわからない、それが『アタック25』。温水洋一さんと綿矢りささんには足を向けて寝られない。どっちの方角にいるのか知らないけど。

・ねね

そんなわけで、日本一周クルーズのかかった最終問題。あらためて説明すると、自分の獲得したパネルの部分だけが見える映像から答える、例のやつ。まさか自分がこれやるとは思いもしていなかったので、一度は解けた緊張がまた高まっていた。答えるのが「ある人物」だったので、わからなかったら対策しておいた「生誕100年の映画関係者」の中から選んで答えようと決める。
そしたら完全に戦国時代だったので、まあ軽くパニックにはなるよね。ここにきて、まさかの映画と関係ないし。それにしたって、なんで豊臣秀吉までわかっていながら「お市の方」なんて答えているのか。もし仮に「お市の方」が正解なら、秀吉よりも優先して出すべき人物がいくらでもいるだろう。イントネーションも変だったし。
恥ついでに白状すると、オンエアでは谷原さんが「正解は、ねね」と言ったときに小さな声で「あ、そうか」と言っているが、この時点では「ねね」と「茶々」を混同していた。収録が終わって帰りの電車の中で、「あ、ねねって北川景子じゃないや」と気づいた。


まあ、本番中はそんなことを考える余裕も無かったのだが、もしも日本一周クルーズのペアチケットが当たったとして、10日間も船旅に付き合ってくれる人なんていないので、困ることにはなっていたわけだが。ペアチケットをひとりで2回使い、日本を2周していたかもしれない。

ここ2年間の医療費と同じくらいの額。

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