中国五千年 上下

 今月二度目の陳舜臣作品。三皇五帝から中華人民共和国成立までを簡潔に述べている。
 これを読んだ目的は中国史の年表を作るため。年表なぞググれば出てくるのだろうが、ググっただけでは満足できないのは私のエゴと思ってもらっていい。

 ちなみに私は本を読んだ目的についていちいち書いているが、これはシャーロックホームズの影響。ワトソン君が「目的を持たず漫然と読書する者で精確な知識を誇る者はほとんどいない」と言っていたからだ。なので、私は読む前に目的を明確にしている。

 できあがった年表は次のようなもの

中国年表 仮
ヤンシャオ文化 三皇? 新石器時代
五千年前 竜山文化。黄帝、中原を制す。ろくろの発明。夏
前1600頃 夏の方伯(将軍)湯、前王朝を滅ぼす。殷(商)立つ。小屯文化。青銅器時代。
前1028年 殷周革命。農業民族。封建制
前770年 周、東遷。洛陽。春秋時代
前403年 三晋。戦国時代。鉄器時代
前221年 始皇帝、天下統一。郡県制
前202年 劉邦皇帝即位。郡国制。
184年 黄巾の乱。蒼天、すでに死す。黄巾、まさに立つべし。歳は甲子にありて、天下大吉。
 晋。南からは仏教。魏志倭人伝。鮮卑の台頭、北匈奴が追われる。北匈奴=フン族?
 五胡十六国時代
581年 隋の統一
618年 李淵、禅譲される。周。安史の乱。黄巣の乱
907年 唐滅亡
960年 趙匡胤即位、宋
1206年 チンギスハン 第二次即位
1279年 南宋、滅びる。
1368年 朱元璋、明を開く。元、北走。永楽帝、北京遷都。紫禁城。秀吉の遠征、朝鮮を支援。満州族のヌルハチ
1644年 明滅亡
1839ー1842年 アヘン戦争敗北
1911年 辛亥革命
1949年10月1日 中華人民共和国

 雑なのは勘弁してもらいたい。これは読みながらスマホのメモ帳に書いていたものそのままだ。
 仮、とあるのはこれから別の本を読む上で変わることもあるだろう、という考えから。

 読んでいて思うのは、皇帝の性格、というか朝廷の雰囲気、皇帝と臣下の関係が、西洋とあまりに異なるということ。
 一言で言えば、中国の皇帝は“すだれの奥”にいる存在なのだ。ローマ皇帝などは軍中にぶらりと現れるし、元老院にも普通に出席する。というより、元老院議員のひとりでもある。
 趙匡胤や、唐の玄宗など、即位するまでは精力的な前線の指揮官だった人間も、皇帝になればすだれの奥に引っ込んでしまう。それ以外の人間からは隔絶された、浮世離れした存在になる。
 皇帝、臣下、民衆、そして宦官。これらの関係性は中国史を理解する上で重要な要素だと思う。

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