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秘密(11)

11

未来が見える男と、過去が見える女。
何と言う組み合わせ。
最強のコンビだ。

「君は、確か念力だったね。真田幸村君。どうだ凄い能力だろう」
と、デスラーは自慢気に私を見る

「確かに、手を使う事なく物を動かしましたが、大した事も無いですよ。
そんな大きな力は無いです」
と、僕は僻む様に言葉を返した

「今は、大した事は無いかも知れないが、君の能力は測り知れ無い。
これからの修行によるな、君の念力は!
期待しているよ」

……期待している?それほどの力が出るのか?念力は……

「これで全員の自己紹介が終わったね。さてこれからが本題なのだが・・・・」
と、デスラは全員の顔を見渡しながら、ゆっくりと椅子に腰をおろした。
それにつられて、腰を下ろす者もいたが、残念な事に椅子は全員の分は無い。

「これからの君達の使命だが、この地球を狙っているFM星の
者達がこの地球上に来るのだ!
そして彼らはこの日本に住みつき
地球を支配する為の準備をしている。それを君達に阻止してもらいたい。」

と、私の理解の範疇を超えた話をデスラーは平然と話してきた。
皆は真剣に聞いている。チャラ男も真剣な表情だ。
無表情女は、冷静さを装っているのか表情を変えない
稲垣ミカコは、デスラー笑顔で見つめている。
心を読む男も、真剣な眼差しだ。
皆、デスラー言う事が本当の事の様に思っているのだろうか?

私だけ半信半疑で疑いの目を向けていた、と思う。
私は意を決して質問した。

「FM星って何ですか?宇宙人が日本に来るのですか?
地球征服って何?宇宙戦争でも始まるのですか?」

「そうだ!君の記憶は消してあった為、私の言う事が理解できないのであろう。だがこれは事実だ!」
と、冷静に私の顔を見るデスラーだ。

「何故、私の記憶だけ消したのですか?」
と、質問を浴びせた。不満を持っての質問である。

「その事については、答えられない。一つの実験だと思ってくれ」
と、デスラーはそっけなく言った。

……実験?なんのために!何で僕が実験される?……
と、思ってはみたが、ここでの追求は
場を白けさせると、思い控えた。

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