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私は誰⁉️(5)
小説 私は誰⁉️(5)
妹の再三にわたる「お腹空かない」のリクエストが通り、全員で
食事に出かけた。近くにファミレスがあったので、そこに入った。
妹と両親は直ぐに注文したが、僕は何が好きだったのか覚えていない。
嫌いな物も覚えていない。
もしかすると、食物アレルギーがあるかも知れない。
三人に聞いてみた。
「僕が好きだった物は何?嫌いな物はあった?
それとアレルギー体質では無かったですか?」
三人が私の本物の家族かどうかを確かめるための質問だ!
何て答えるだろう。答えを待った。特に母親の答えを。
「マナブは好き嫌いは、無かったよな。なあ、母さん。」
と父は母に振った。
「無かったはずよ。私は何でも食べる様に躾をしたわ!
ねえ、ケイコそうでしょ。」
と、今度は妹に振った。
「お兄ちゃんは、私と違って好き嫌い無いよ。私は有るけど」
妹は好き嫌いがあるのに、僕は無い様に躾られたのか?
「じゃ、食べ物アレルギーは?お母さんなら知ってますよね」
と意地悪く母に聞いた。
「アレルギー何て、そんなの無かったわ」少しイラっだ様に言った。
僕は、母に違和感を感じた。此の人、本当に僕の母親だろうか?
もし、子供がアレルギーを持っているので有れば、食事に細心の注意をするだろう。あの様なイラだった言い方は、おかしい。
あの言い方は、「そんな事知るか 」みたいで、他人に言う言い方だ。
僕は、蟹のクリームコロッケを注文した。
食べた後、何故か口の中が痒くなった。
アレルギー反応が出たみたいに。
一体、僕は誰⁉️ あの人達、本当に僕の家族なの?
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