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呪いの臭み2(420字ぐらいの小説)➕追伸

僕は名犬ラッシー(これを知っている人はかなりのお歳)
何故名犬と呼ばれるかって
それは、そんじょそこらの犬とは違うから。
嗅覚が異常に発達し、しかも正確に匂いを嗅ぎ分ける事ができるのだ。
警察犬も僕をリスペクトしている。

この前、異様な匂いを嗅いだ。
この匂いは僕しか解らないだろう。
悪魔の体臭に近い。
悪魔は用心深いので、普通は匂いを出さない。
だが僕には解るんだ!

明らかにこの中に悪魔が忍んでいる。
だが、顔を見ても悪魔とは判らない。
匂いだけで判断するのだ。
僕は、一人一人匂いを嗅いだ。
気づかれない様に、何人もの匂いを嗅いだ。

だが、悪魔は居ない。
可笑しい。悪魔の匂いは呪いの匂い。
必ずここに居るはずだ。

僕は「名犬の名に掛けて必ず見つけ出す」と決意を強く固めた。

じっくり観察すると、怪し男がいるのに気付く。
…こいつだな。悪魔は!……

僕は心で歓声を上げた。
だが、悪魔の姿は見せない
匂いは呪いの体臭だ。
男の動きがにぶい
動きが遅い。
でも奴は悪魔で無い。
鈍い動きの人間だ
のろ〜いの臭みか!

追伸

この小説、蝶々夫人に捧げます。
「いらないわ」って言わないで下さいね。

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