Photo by waraineko 三つ子の魂百までも(15) 1 スター⭐️ボーン 2022年7月27日 07:33 15事務所に入って行くと、二人の女性がいた。二人とも美人だが、私の好みのタイプでは無い。「代表、こちら加藤修さんです」と青年が、壇蜜に似た人に、私の名前を告げた。私は壇蜜よりも、同じ顔の青年の方が気になった。「加藤さんですね。こちらにお掛けください」と壇蜜に言われ、ソファーに腰を下ろした。青年は、先ほど壇蜜のいた場所に居る。 「私は、ここの代表をしています、飯島直美と申します」と言って名刺を差し出してきた。私は、少し興奮している。自分と同じ顔の人間が側にいるのだ。そういえば、大学の入学式の時に、自分と似ている人を見かけたが、あの時は、メガネをしてなかったので、ハッキリとは分からなかった。もしかすると、あの時の人かも知れない。「あのーご用件は何でしょうか?」私がぼーっとしてる様に感じて直美は、「もしかして、三浦さんのことでしょうか?」とさらに、聞いてきた。私は気を取り直すかのように、「ここは、女性限定と書いてありましたが、男の相談には乗れないのでしょうか?」と聞いた。「女性限定と書いてはありますが、女性に限った訳でもございません」と、代表は訳のわからない事を言った。(限ってないのに、限定ですか)と聞きたい気持ちを抑えて「では、男でも相談する事はできるのですか?」「ご用件次第では、承っております。」私は少し間をとって、「私の実の両親の事を調べていただきたいのです」代表は少し怪訝な表情を浮かべながら聞いてきた。「実の両親とは?………どの様な事でしょうか?」「実は、私は幼い頃、今の両親の養子になったと言われたのです。私の実の両親事を聞いても、養父母は知らないのか、答えてくれないのです。でも、‥‥」「なるほど、それで実の両親を探したいと言う事ですね?貴方の戸籍謄本はどちらにありますか?」「謄本ですか?知らないのです。養父に聞いて見ないと。取った事が無いので、分から無いです。」「先ずは謄本を取って見て、養父母との関係性を確認しては如何でしょうか?」「確認とは何ですか?」と、私は代表の言っている意味が理解出来ないので、聞いた。「養子縁組も色々ありまして、普通の養子縁組と特別な養子縁組があるのです。普通の縁組なら、養子になっても、実父母の名前が、戸籍に記載されますが、特別養子縁組なら貴方は養父母の長男と言う様に記載され、実父母の親子としての、関係は絶たれた形になります。」「そうですか?複雑なんですね。もし、私が特別だったら、実の両親の名前も判らないのですね。」と、加藤修の心に冷たい風が吹抜けて行った。懲りずに投稿。Kindle販売予定です。 ダウンロード copy #連続小説 #売れないKindle作家 #Kindle販売予定 #時たま連載 #売れないと知りつつも 1 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート