秘密(8)
8
覗き窓から見てみると、女性と男性がいる。
女性は私よりも歳上みたいだが、相当な美人である。
私は、心を弾ませながらドアを開けた。
「ここは、真田幸村様のお宅でしょうか?」
と、落ち着いた声で美人が言った。
男性は美人の後ろに隠れる様にして、私を見ている。
「そうです、私は さなだこうそん と言います。
ゆきむら ではないです」
「それは、失礼しました。私は稲垣ミカコと言います。
今回、ここで会合があるとお聞きし、やって来ました。
こちらは・・・・」
と、言って男を前に出す。
「・・・・私は、斉藤和義と言います」
すごく小さい声で恥ずかしげに言う。
「ここでは、何ですから、中にお入り下さい。皆さん揃っています。」
と、私は二人を部屋の中に通した。
狭い部屋に七人の男女が部屋にいる。
私にとって初めての経験だ。
これからどの様な会議が始まるのか、私にはまるで解らない。
また、どの様に選ばれて来たのか?
何故、私の部屋なのか?
さっぱりわからない。
大きな不安を持ってみんなを見ていた。
すると、またインターホンが鳴る。
……何で!他にいるの?確か七人って言っていたね。
あのチャラい男が!……
不審に思って覗き窓を見ると、セールスマン風の男が居る
……こんな、夜にセールスに来たのか?……と、思いながらドアを開けると、
突然男が喋り出す。
挨拶をする事も無く。
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