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「殺人ロボット」(続編)その後の大塚愛子  (最終回)

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婚約者の死因は、心臓麻痺。
殴られた原因では無いとの診断が下された。

加山の死因は脳血管の破裂。
原因は不明。

加山の整形前の顔は復元され写真もできた。

「これほど違う顔か?」
と、誰もが不思議に感じた。

…これほど美男子になれるならば、誰もが整形を望むであろう。…
と、髭面刑事は思った。

出来上がったばかりの写真を
美人刑事は愛子に確認を取る為に、
今日愛子と会う。
久しぶりの再会である。

…愛子さんの知っている人ならいいのだけど。
でも、死んだ加山とは全然違う別人の顔。
本当に知っている人かな?…
と、淡い期待を込めて愛子の元に美人刑事は訪れた。
刑事としての職務もあるが、女としての興味もあった。

出会いの場所は、「紅茶の美味しい喫茶店」

女刑事との再会に愛子は微笑んで見せたが、
表情は硬い。
まだ、悲しみの感情が消えていないのか?
虚な瞳だ。
服装も若い女の娘にしては、地味で化粧も控えめである。

女刑事は愛子に挨拶を交わした後、

「顔の復元の写真が出来ました。愛子さんのお知り合いの方だと良いのですが。」
封筒を愛子に渡す、女刑事。

封筒に入った写真を慎重に抜き出す愛子。

そして静かに写真を見つめる。

愛子の目に自然と涙が・・・・。

「やっぱり、私が思っていた通り、・・・
加山さんが、石田さんだったのですね。」

静かに云う愛子。


……愛子さんは、私の想っていた通りだった。加山の事を・・・……

愛子は写真から目を離さずに真剣な眼差しで観ている。

愛子の目に浮かぶのは、石田太郎との想い出だろうか?
それとも・・・・・。

   完

後述

愛子は精神的な疲労からだろうか?

鬱病を発症していた。
だが、今の愛子はそれには気がついてはいない。




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