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レトルト三角関係(400字の小説)


ある男からレトルトカレーを三角形にする案が、提案された。
従来の四角形では、インパクトが無いと云う理由からであるが、
男以外、誰も賛成はしなかった。
その男が云う。

「従来の四角形に比べて素材の使用量が少無くてすむ。
また、パッケージの形状が斬新でインパクトがある。
必ず売れるはずだ。
我が社これで推すべきだ」
と、強く主張する。
その甲斐あって、男の意見は採用された。
だが、売れ行きはさっぱりであった。

やはり四角方が扱い易いと消費者に思われているみたいだ。

男は失敗の責任を取り会社を辞職する決意を固める。
日頃からの信頼の厚い彼である為か多くの彼の部下達は、彼の辞職に反対する。
だが、出世争いの輩達は、彼の辞職を心から願う。

三者三様の醜い三角関係が表沙汰になる。
時が経ち提案した彼のカレーの売れ行きが、伸びてきた。

その結果、彼は華麗に出世街道を進んでいくのであった。

三角のレトルトカレーの参画が、新たな時代を作った。






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