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ゴミを捨てる人、それを拾う人。

渋谷で過ごしたある朝のカフェで、いいものみたなぁ!ってなった話。

ホテルの朝食がいまいちなパンのみだったから、さっとお茶だけ飲んで、
朝食を求めてカフェに行った。

渋谷駅から10分もしないその場所は、交差点の角にあって、
道路に面した大きな窓の前に長いカウンターがある。

迷わずそのカウンターに座って、ベーコンエッグとグラノーラを食べる。
窓の外には歩く人、自転車、車。
朝の通勤ピークは少し過ぎてたけど4方向に行き交うひとたちを眺めてながらゆっくりと食べる。

途中で、目の前の歩道の木の根元に空き缶が3つ置いてあるのに気いた。
ポイ捨て、というよりは、そこで飲んでて、置いて行った感じ。
まぁ経緯は何にせよ誰かがゴミ箱に入れるのを怠った結果に変わりはない。

そういえば昨夜このカフェでなんかイベントしてたぽかったな、
外にも人が溢れてたからきっとそこで戯れてた人たちかな、
なんて考えてたら、

自転車で通勤中と思われるスーツ姿のおじさんが来て、木の前で止まった。
お、と思って見てると、右手にビニール袋を持ってる。
さっと自転車から降りて空き缶3本を袋に入れた。
1本は中身が入ってたようだからひっくり返して空けて。

ささっと自転車に乗り直して、
歩行者の間をすり抜けるように交差点を駆けていった。

同伴者も気づいたようで、ふたりで顔を見合わせて
「え、今の、最高じゃない?」といいつつ拍手喝采。

👏👏👏👏👏👏👏👏

あの人に直接近づいて声かけたい!知り合いになりたい!(怪しまれるか)
て感じ。

彼は、いつもああやってゴミ袋片手に通勤してるのかなー。
毎日の通勤で目に入るごみの量にうんざりしたのかなー。
すでに習慣になってるのかもなー。それ、いいなー。

まあ今日たまたま袋持ってて、たまたま目に入ったゴミを拾った、
って可能性もあるな。それでも、いい。


モノを作る人がいて、それを使う人がいて、ゴミとなったモノを捨てる人がいる。ゴミを捨てる事を怠る人がいて、それを拾って捨て直す人がいる。
拾わずに、見過ごす人もいる。

人が作ったモノは、人が適切に処分しないと。
土にそのまま還るってわけじゃないからね。
ゴミとして収集されても結局は埋め立てられてそれがどんどん積み上がる一方なんだろうけども。リサイクル、って簡単に言っても、それが本当に再利用されているとは限らないみたいだけど。(そんなゴミに関するあれこれはまた今度書きたいな。)

とにかく、ゴミ箱に入らずに雨に流されてドブに落ちて川に流れていくところだった空き缶3本を、拾って、颯爽と去っていったあのおじさんを見て、心がすっきりした。カッコよささえ感じたよ。
隣に座る同伴者と、"He made our day." だね、って笑いあった。
いいもんみたな。

なにがいいかって、彼が空き缶を拾ったことで、道路が綺麗になったのはもちろんだけど、それを見た私たちに影響も与えたってこと。

やっぱり、ゴミを見たらさっと拾える人でありたいし、
そもそもゴミを出さずに生活する人でありたいと改めて思った。

とりあえず近くのスーパーの前に落ちてた(置いてあった)の拾った。
おじさんのおかげでさらっとできた気がする。笑 ナイス、おじさん!👏



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