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【オードリー・タンの思考】大学の生協の本棚に並ぶ、スルメみたいな本にしたい。

私が今書いている本『オードリー・タンの思考』は、オードリー・タンさんについての評伝だ。
彼女は話題の人物だし、本当に素晴らしい方だ。だからこそ、「彼女がどれだけすごいのか」を伝える本はこれからも出続けるだろう。

私は今このnoteというプラットフォームで、書籍原稿の一部を期間限定という形で無料公開している。

そうすると何人もの方からメッセージをいただき、中には「今、隔離療養中でネガティブな気持ちになってしまっていたけれど、noteを読んだらポジティブな気持ちになれました」というものもあったし、Twitterでは「読んだらなぜか元気が出る」というコメントもいただいた。

私は絶望的なほど文才がないくせに、エモい文章ではなく、スルメみたいに平凡でフラットで、飾らないけど、噛めば味があるようなものを書きたいという時代の流れに逆行する個人的な嗜好を持っている。
結果としてたくさんの方に読んでもらいたいという気持ちはあるけれど、バズるとかいったことにはあまり興味が持てない。

デジタルマーケティングをしていた時も、派手に打ち上げ花火を上げて話題をさらうより、コツコツとロングテールで高いエンゲージメントを育てるコンテンツマーケティングを専門に選んだ。

関係ないけど走ることに関しても短距離より長距離の方が好き。フルマラソンは日本にいた頃に東京マラソンを3回完走している。
さらに関係ないけど、吹奏楽部でユーフォニアムというオーケストラにも入っていないマイナーな中低音管楽器を小4から高校まで続けた。

たぶん、もともとそういうスタンスが好きなんだろうな、と思う。

正直に言うと、私は今回の本を、将来自分の子どもたちが大きくなった時に、大学の生協の本棚とかで、ふと見つけて手に取っている姿を想像しながら書いている。編集さんにも話していないので、こんなところでカミングアウトしていいものか、不安なのだけれど。

若くて可能性がたくさんあって、でもそれだけに迷うことも多く、精神的にまだまだ成長期まっさかりの彼らが、親ではなく本から生きるヒントを見つけるにはどんな内容が必要だろう? どう話したら聞いてくれるかな。私は彼らに、オードリーさんを通じてどんなことを伝えたいんだろう。

2020年の夏の終わりから今まで、もうそればっかり考えてきた。

それで今日、人様から「ポジティブになれた」「元気になる」と言われてものすごく嬉しかった。
もしかすると、私が探していたことのヒントがこのあたりにあるのかもしれない。

{ 写真にまつわる余談 }

長男がまもなく9歳になります。

だんだんプチ思春期に入ってきて、親側も試されている感じがする日々です。

男だらけの我が家、家族を居心地良い場所にできるかどうかは私にかかっているような気もするから、なけなしの頭と心をフル稼働しながら試行錯誤中。
誕生日当日は出張で一緒にいられないので、週末にお祝いしました。

ケーキはクラシックな佇まいが大好きな「紅葉蛋糕」。
台湾で初めて生クリームのケーキを出したケーキ専門店で、生クリームのおいしさは折り紙つき。

スポンジはタイプを選べて、私はイチゴをセレクト。しっとり綿密で、ふわふわ、もちもち。スポンジケーキ嫌いな長男も「おいしい!」と言って食べていました。

たっぷりの生クリーム、中年にはなかなかこたえますが、この世代を受け継がれて愛されるケーキが好きで、たまに無性に食べたくなります。

お店はイートインはなく、お店の入り口から中まで大きな冷蔵庫がどーんとあり、その中には予約されたケーキがずらりと並んでいます。

私が買ったのはいちばん小さいサイズでしたけれど、冷蔵庫の中には何十人で食べるの?というくらい大きなサイズのものもたくさん。

こうして何十年にも亘り、台湾のたくさんのお祝いのテーブルでみんなを笑顔にしてきたんだろうなと思うと、それだけで自分まで幸せな気持ちになれるのでした。

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