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「相撲」7月場所総決算号

「相撲」の「7月場所総決算号」が届く。表紙と巻頭は復活優勝の照ノ富士。優勝経験のある元大関がケガと病気で序二段にまで転落して、そこからV字回復して幕内復帰場所での優勝というドラマ。一方で新大関の朝乃山。14日目に照ノ富士に力負けしたことを非難する向きもあるが、白鵬・鶴竜・貴景勝が離脱の場所を一人で横綱大関の責任と務めを果たしたことを称えたい。このところ新大関の場所で致命的なケガをする力士が続いたので、何事もなかったことに安堵。無事これ名馬である。7月場所の新風は、新入幕力士である琴勝峰の活躍。終盤で幕内力士の上手さ狡さにしてやられて失速するも、前半のスタートダッシュは取り口からして大器。そして何よりの成果は、場所を開催できて、そこに観客を迎えることができたということ。五月場所の中止は、力士たちにとって、先も見えない空虚感と不安だったことだろう。暗い話題ではキャバクラ通い阿炎の休場、親方パワハラによる中川部屋の閉鎖、式秀部屋の女将さんへの反発で力士たち脱走が続いた。角界活動の基本ユニットである部屋制度が揺らぎを見せている。現代社会における全寮制生活を角界が維持してゆけるかどうか。来場所の予想番付では、大栄翔の関脇昇進、遠藤の小結復帰、朝青龍の甥である豊昇龍と英乃海の弟である翔猿の入幕、千代の国の十両復帰、錦富士と王輝の十両昇進などが目を引く。記事として興味深かったのはNHKの相撲中継で実績のある刈谷富士夫雄の転職レポート。定年退職後は、雇用延長を選ばず、立飛ホールディングスで執行役員として、相撲の世界大会開催を目指すとのこと。人生いろいろである。

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