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片理誠「屍竜戦記」

徳間SFコレクション電子復刻第9弾。片理誠「屍竜戦記」(トクマ・ノベルズ・エッジ)。親兄弟を殺した赤い竜「棘黒」。竜の鱗には強い防御力があり、通常の魔法はほとんど効かない。竜に対抗するためには、死者を操る禁断の魔法「屍霊術」を増幅し、竜の屍体、すなわち「屍竜」を操るしか方法はなかった。「屍竜使い」ヴィンクは、幼馴染みの親友メルタナと共に、ヴァ・シ・ド教国からナフリ王国に派遣された。そこで信頼できる隊長べアナの指揮の下、法王の名によって、因縁の竜「棘黒」と対峙する。
 本来であれば戒律的な真ヴァ・シ・ド教を奉ずるヴァ・シ・ド教国と、より大乗的な汎ヴァ・シ・ド教のナフリ王国は対立関係であった。しかし竜の脅威の前に、双方の権益を前提に一時的な同盟が組まれた。政治的意向に翻弄される竜退治。庶民の犠牲を厭わず、王侯貴族の安全を優先とした防御。戦利戦功によって出撃命令に口を挟む教国の大使。足を引っ張り合う愚かな人間たち。一方で竜は仲間を逃したり、協力体制を組む知性やチームワークを備えていた。生死を賭けて竜との攻防を繰り返すヴィンクの心に、闘いへの根本的な疑念が生じる。
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