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初のZOOM八雲サロン「金融犯罪対策の現場から」

初めて東京都立大学同窓会でZOOM八雲サロン。八雲サロンは、渋谷にある東京都立大学同窓会の集会所で、大学OBの講師を招いて、20〜30人で会食しながら聴講する会。しかるに春からのコロナ禍で半年間中止。そこでオンライン八雲サロンとなった。初回の講師はジャパンネット銀行モニタリングセンター金融犯罪対策部長の遠藤浩さん。テーマは「金融犯罪対策の現場から〜身近な詐欺からマネーロンダリング・テロ資金供与まで」。講演の骨子は以下の通り。
1️⃣相手を知る、自分を知る
・詐欺のパターンは3つ。①パターンA〜被害者があり、被害者自身が出金。②パターンB〜被害者があり、被害者の認証情報を詐取した犯罪者が出金。③パターンC〜被害者がなく、国や銀行に隠れて違法犯罪行為。詐欺手法としては①偽Webサイトに誘導する「フィッシング」②電話による「ヴィッシング」③不正作動させるウィルスを仕込む「マルウェア」。パターンAで有名な事例として、先進国に対する発展途上国への募金を促す「ナイジェリア詐欺」、海外結婚を夢見る女性にSNSで迫る結婚詐欺「国際ロマンス詐欺」。パターンBでは、有名タレントのマネージャーを騙る「アイドル詐欺」。パターンCでは、脱税・汚職・資金洗浄・資金供与などを目的として、実態のない第三者への迂回・分割送金などが手口。通常取引に見せかけるために、ダークウェブと呼ばれる通常検索エンジンでは見つけられない匿名性の高い専用閲覧サイトを使って、トレースを困難にしている。この他にもスタッフの分業化、DMなどの素材や、受け皿口座など騙す側の工夫も複雑高度になっている。
2️⃣周りを知る、全体像を知る。
・これらの詐欺から身を守るための4つの社会的対策は①予防(不正申込の謝絶)②予防(不正を検知し取引制限)③被害防止(不正を検知して口座凍結)④拡大防止(被害を検知し口座凍結)。個人としての騙されない心得は①自分の情報は自分で守る(暗証情報など)②Amazonやdocomoから来る本物そっくりのメールを開かない③クレジットカードの決済取引に不審な内容がないかどうかのチェックなどがある。
 実際、最近は怖くてメールを開けない。以前のスパムメールは、読んで明らかにそれとわかるタドタドしさだった。しかし最近のスパムメールは、企業のロゴマークを貼り付けたり、会社所在地を正しく明記していたりで、怪しいところが何処もない。敢えて言えば、メールで指摘されたことに、身の覚えがないことくらい。しかしながら、実際に開封の必要があるメールもある。細心の注意を払わねばならないことはもちろんだが、スパムメールチェックの網をかい潜って届くメールの対策が必須である。

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