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オラトリオ初体験

紀尾井ホールにヘンデル『メサイア』を聴きに行った。これは初体験のオラトリオ。オラトリオは大規模宗教的合唱曲である。オペラと違って、劇仕立てではないので、大道具・小道具・衣装・舞台装置は使用しない。17世紀のイタリアで発祥した形式で「メサイア」は最も有名なオラトリオ曲。イザヤ書、詩篇など旧約聖書の預言書を中心に、救世主たるイエス・キリストの生涯を讃える。
 ヘンデルといえば、これまで「水上の音楽」「王宮の花火の音楽」くらいしか聴いたことがなかった。明るく華やかな曲想は、同じバロック音楽の巨匠であるバッハの荘重さとは対照的。「メサイア」は三部構成で、第一部「メシア到来の予言と誕生、メシアの宣教」、第二部「メシアの受難と復活、メシアの教えと伝播」、第三部「メシアのもたらした救い〜永遠の命」。各部が20曲以上の歌唱曲で成り立っている。ヘンデルはイギリスで活躍した作曲家なので、歌詞は英語。
 演奏は(指揮)渡辺善忠(チェンバロ)堀井美和子(管弦楽)オラトリオ・ソサエティ室内合奏団(合唱)YMCAオラトリオ・ソサエティ(ソプラノ)三塚直美(アルト)小泉詠子(テノール)土崎譲(バス)山田大智の構成。指揮者は巣鴨教会の牧師先生。なかなかの立派な演奏。歌唱各パートの聴かせどころが続く。男女パートの斉唱では、それぞれ調和の取れたユニゾン。楽器演奏は弦楽主体だが、要所に金管、打楽器、チェンバロが加わる。演奏時間は約2時間半。全曲というわけにはいかなかったが、9割くらいをカバー。有名なハレルヤコーラスは第二部の最終曲。ハレルヤはヨハネの黙示録から歌詞。最後の審判の後の神の国の到来を歌っていたんだな。

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