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ルカ伝第23章44〜49節「父よ、私の霊を御手に委ねます」

3月24日の尾久キリスト教会における広瀬邦彦先生の説教。題材はルカ伝第23章44〜49節「父よ、私の霊を御手に委ねます」。これはイエスの受難における7つの言葉の7つ目。ちなみに7つの言葉をさらってみると、以下の通り。
①「父よ、彼らをお赦しください。彼らは、自分が何をしているのかが分かっていないのです。」
②「まことに、あなたに言います。あなたは今日、わたしとともにパラダイスにいます。」
③「女の方、ご覧なさい。あなたの息子です」「ご覧なさい。あなたの母です」
④「エロイ、エロイ、レマ、サバクタニ。」訳すと「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」
⑤「わたしは渇く」
⑥「完了した」
⑦「父よ、わたしの霊をあなたの御手にゆだねます。」

ルカ伝第23章44〜49節


 淀川キリスト病院の柏木哲夫先生は、緩和医療=ホスピスで2,000人以上を看取ってきた医師。先生曰く「人は生きたように死んでゆく」。その人の死に様は、生き様を表しているということである。人生百年時代で寿命は延びた。命はその人に与えられている時間。マタイ伝第10章29〜31節では「2羽の雀が1アサリオンで売られているではないか。だが、その1羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている」とある。だからこそ、その時が来るまで時を守って欲しい。

淀川キリスト病院の柏木哲夫先生


 ルカ伝第23〜43章では、イエスは復活を事前予告している。イエスはパラダイスにも、黄泉にも行かれた。使徒行伝第25章によれば、復活は父なる神によって行われた。ヨハネ伝第3章2節によれば、イエスは神の子であるから。われわれクリスチャンは、永遠の命と朽ちない身体を約束されている。とはいえ、死後の世界はわからないことだらけ。東邦大学大森病院ケアセンターの医師・大津秀一先生は、ホスピスで1,000人以上を看取ってきた方。ベストセラーとなった「死ぬ時に後悔すること25」の1つに「神仏の教えを知らなかったこと」がある。カトリック信者だった曽野綾子先生は、大津秀一先生の名言に対して「私の最高の幸せは『神仏の教えを知らなかった』に該当しなかったこと」とコメントした。

東邦大学大森病院ケアセンターの医師・大津秀一先生


 蝉は幼虫の頃は土の中で育つ。成虫となって地上に上がってきて、皮を脱いで空に飛翔する。これは人間が死に際して、肉体を脱いで、神のもとに旅立つことに似ていないか。愛する者たち、私たちは全て神の子。信仰によって、キリストに似たものになるのである。

蝉の子

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