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京王百貨店新宿店・第57回「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」

今年も開催された、待望の京王百貨店新宿店の第57回「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」。関東には東京駅には「祭」、新宿駅に「頂」などの大きな駅弁売場があるが、いかんせんJR東日本管内の駅弁が中心。特に中国、四国、九州地方など西日本の駅弁は、ここに来ないとなかなか出会えない。それどころかJR東日本管内ですら、2020年の駅弁大将軍を受賞した上諏訪駅「諏訪弁ほいじゃねェ」や副将軍受賞した宇都宮駅「きざみ岩下の新生姜 きぶなカレー ブラックシーフード」も入手不可能である。こういう駅弁ファンたちのフラストレーションを解消してくれるのが東の京王百貨店新宿本店、西の阪神百貨店梅田本店の東西両横綱による駅弁イベントである。
 先ずは第一のターゲットである「やき天むす」@1080をゲット。これは7階のメイン会場で販売。2021年駅弁大将軍を受賞した小淵沢「丸政」の新作である。命名通り「天むす」に火を通している。削り鰹節と刻み海苔がたっぷりかかっていて、ご飯の焦げ目が香ばしく、お餅のようなムッチリとした不思議な弾力がある。噛むと中から海老天がゴロっと転がり出ることにワクワクする。
 第二のターゲットは、4階の輸送駅弁ブース。JR貨物コンテナ車両を模した弁当箱が人気の神戸「JR貨物コンテナ弁当」@1420を狙っていたが、既に売り切れ。人気駅弁は足が速い。あっという間に売り切れてしまう。気を取り直して代わりの駅弁を品定め。全国各地の駅弁を目移りしながらキョロキョロ探すのも、また一興。せっかく来たからには二つは食べたい。最初に食指が動いたのは大阪「なにわホルモン焼肉弁当」@1200。しかし結構なボリュームがある。既に購入した「やき天むす」との両立は難しそう。ここで私は青山学院大学の原晋監督が箱根駅伝で立てたような作戦を立てた。それは「ダブルライト作戦」だ。あまりコッテリしておらず、ボリュームが多くない駅弁を選べば、両方を完食できる。駅弁ファンの名にかけて、食べ残して捨てることはしたくない。それに自分は海鮮や肉がゴテゴテ乗っているより、助六寿司や鶏めしのようなシンプルなタイプが好きだ。この条件にマッチしたのは三重「黒毛和牛モー太郎寿司」@1000か千葉「トンかつ弁当」@550だった。
 かねてから老舗・万葉軒の名作駅弁「トンかつ弁当」を未だ食べていなかったことに忸怩たる思いをしていたことから「トンかつ弁当」を選択。ご飯の上に乗ったとんかつは薄いが、ソースが染みている。薄いからこそハムカツみたいに食べやすい。駄菓子のソースカツみたいな風味。ライトなソースかつ丼みたいな感じで胃にスルスル入ってゆく。これで見事に駅弁二つを完食。食べ終わってしばらく経ったら余力が出てきて「全国うまい大会」の方で宿願だった大阪「会津屋」の「元祖たこ焼き」@580。表面が醤油味でカリッとしている。中はふんわり蕩けそう。小粒の12個があっという間に胃に入る。しかしさすがに満腹で、もう晩ご飯は要らないくらい。更に義母に長崎「心泉堂」の「幸せの黄色いカステラ」を購入。
 京王百貨店で駅弁を買う上で、そもう一つの裏技がある。それはコロナ禍になってから、三密を恐れて会場の中に弁当を食べるスペースがイベント会場になくなったこと。そうなると家や職場まで持ち帰って食べねばならないが、駅弁好きなら、買ったら直ぐに食べたいものだ。ましてや出来立て弁当なら、なおさらである。そこで立てた「屋上作戦」。階段で食べていた人は百貨店員に注意されていたが、屋上ならセーフ。雪の日だったら辛すぎるが、この日は寒いが天気も良く快適な環境。ベンチに座って、弁当を広げて撮影後に、ゆっくり味わう。この時、あらかじめお茶を買っておくことが大事。今の京王百貨店の屋上は飲料の自販機は置いていないし、ましてや百貨店の各階で売っているはずもない。
https://www.keionet.com/info/shinjuku/ekiben2022/

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