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究極のカフェ

町田市つくし野のカフェ「sens et sens 」。お店の前に立った瞬間から、ユトリロの絵に向かい合ったような気がした。店内はアーティスティックな間接照明で、席は自由に座っていい。食後の飲み物は、何を選択するかを訊かれるだけ。
出てきたプレートは、前菜とサンドイッチ。前菜はレッドキャベツ・人参・トマトのマリネ。程よい酸味で、いつのまにかなくなっている。それとポタージュ。サンドイッチはパルマ産生ハムと、グリュイエールチーズを、リュスティックというパンで挟んでいる。一口目はサンドイッチの美味しさがわからなかった。しかし二口目に、チーズの旨みがジワリと伝わってきた。パンの弾力を、噛み締めて味わう。これは生半可な美味しさではない。辛口の白のビオワインを飲みながら頂く。そしてアイスコーヒー。深煎り2種のブレンド。コクが深い。今まで飲んできたコーヒーとは全く違う。最後にデザート。フルーツソースのかかったプラムと葡萄2種(甘みが強い藤稔、酸味のあるナガノパープル)、それにミルクシャーベットのようなアイスクリームの乗ったタルト。どれも震え上がるほどの天上の味覚だった(料理名は献立表を貰えなかったので、多少間違えている可能性あり)。
このお店には、いくつかルールがある。店主ブログをお読み頂きたい。先ず電子機器について。写真撮影は料理を2回まで。それ以外は使わない(ことを提案されている)。事前にメールで予約する。氏名や連絡先だけでなく、訪問動機や最近の生活雑感なども記入する。お店は、いつも開いているわけではない。開店予定は、かなり近接しないと公表されないので、予め休みを取って訪問することも難しい。料理を摂って退出するまでに、結構な時間が過ぎるので、たっぷり時間が取れる状況でないと無理。三つ目に、原則一人で来ること。ここは座席で知人とお喋りするために、ある場ではない。だから皆静かに座っている。渾身を込めて作ってくれた極上の料理と真摯に向かい合うためだ。2019年
http://sensetsens.jp/top2.html

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