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大相撲2021春場所の総括

大相撲春場所が千秋楽を迎えた。昨日は国技館で実地観戦。会場はコロナ禍規制で、ここしばらくの収容人員の半分での入場が続いている。春場所を総括すると、白鵬・日馬富士・鶴竜と磐石の布陣だったモンゴル3横綱の時代が終焉を迎えた。しかしその後を継ぐべき大関陣の不安定さで、誰が優勝してもおかしくない戦国時代に突入。実力伯仲で、たまたま番付の上位にいるのが三役陣という感じ。その場所で調子の良い力士、運の良い力士が賜杯を手にしている。だから幕尻優勝が続いたり、優勝ラインもこれまでの14勝から12勝に下がっている。照ノ富士の活躍があってこそ、春場所優勝が11勝ラインまで下がるというみっともないことにならずにすんだ。
 横綱不在(鶴竜は引退)に加えて、序盤から大関陣が目も当てられない不振。唯一実力を発揮したのが、3回目の優勝を果たした関脇・照ノ富士。12勝をあげて3場所通算36勝と、大関復帰を確実にした。優勝の決まった瞬間とインタビューには嗚咽。高安の悲願であった初優勝は、プレッシャーによる取り口の消極性から泡と消えた。敢闘賞まで逃してしまった。今場所の大活躍は内容結果とも若隆景。二桁勝利で技能賞に相応しい。観ていて惚れ惚れする武者振りだった。英乃海と翔猿の兄弟による二桁勝ち越しも嬉しいニュース。十両では、優勝した実力者・白鷹山が光った。不調続きだった炎鵬の勝ち越しに安堵。宇良は途中休場が心配されたが、再出場で二桁勝ち越し。ベテラン常幸龍の二桁勝利も天晴れ。幕下以下では、謹慎明けの阿炎が幕下で全勝優勝。自身で言うように生まれ変わって欲しい。同じく幕下では弓取り初の関取昇進目指した将豊竜の勝ち越しならず残念。注目の大器・北青鵬は15枚目で勝ち越し。背中にケガをしていたようだが、たいしたものだ。ケガから序二段に帰ってきた友風の好成績も明るい材料。序ノ口・勝南桜は自身の持つ連敗記録を90に更新。不名誉な記録でマスコミに追い回される羽目に。阿武松部屋では阿武咲に結果が伴わなかったが、慶天海が5勝2敗の好成績で勝ち越し。千秋楽打ち上げの中止は一年以上に及んでいるのが残念。

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