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末廣圭「滾り」

末廣圭「滾り」。電子復刻第64弾。官能ロマン小説なので、今日のお話しは、女性の方々は読まなくて結構。球界番長の清澄渉(たぶん清原和博)のバッティングピッチャーを務めて、ビーンボールまがいの暴投をしてしまった水口太陽。ぶん殴られるかと思いきや、同じ河内出身で、かえって気に入られてしまう。清澄からお声がかかり、夜遊びでも巨砲で大活躍。ヒラメキ采配の嶋田監督(たぶん長島茂雄)の眼にとまり、中継ぎ登板で最速157kmで三振と四球の山。豪速球で人気が出て、遂に先発完投。
 実力と人気が出れば、女性も集まってくる。女子アナの篠原友紀は変わらず面倒をみてくれる。銀座のクラブ「ジュン」の朱美とは、ママもお客も追い出して、お店でプレイ。週刊ジャーナル記者の早坂祥子とは彼女のマンションで肉弾取材。地元遠征では、クラスメイトの椎名馨からヴァージンを捧げられる。急な歯痛を治すために、篠原友紀に紹介された、女医の横森亜由美には診療の合間に金髪ビデオを観ながら、ベッドで治療。遂には女優の長友瞳(たぶん黒木瞳)が局部剃毛したプロ魂に敬服。
 今回は登場キャラクターが、実在人物をモデルにしている。実際の特徴をとらえた書きっぷりに、大いに笑えて楽しめる。清澄と太陽のガラッパチなやりとりも、今の野球にない野武士っぽくていい。乱暴なようでいて、マウンドの太陽の緊張をほぐす清澄の心配り。女性の魅力に素直に礼賛できる主人公にも好感が持てる。読んでいて、世話女房気分になっている篠原友紀と幸せになって欲しいなんて、ついつい思ってしまう。今回は官能ロマン小説ではありながら、野球小説としても楽しめる作品。
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