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「ねえ次の夏まで私に飽きていなかったら、祇園祭の後祭に行かない?」 「きっと私、嬉しくて…
初孫が生まれ幸せでむせかえるような実家から、逃げるようにこの部屋に越して来た時、私が買っ…
今朝もいつものように。 出納した本を抱えながら書庫の階段を駆け昇っていたら、靴先が滑って…
左の乳房にしこりができた。元々皮膚腫瘍ができやすい体だったので、いつものことだとあまり気…
前日譚→ https://note.com/yae_y/n/n97fbadf15dbb 「結婚は考えられないから付き合えない、…
私は自分をさして美人だとも思っていないし、それほど醜いとも「今は」思っていない。基本的に…
ついこの間まで同じクラスにいた同級生が突然亡くなった。 彼女が死んだ夜、母は私を呼び寄せ正座をさせ、その事実を告げた。 古くなって擦り切れた畳の上で、「人間は死んだら灰になる」と、私は教わった。 当時はまだ死というものがまだ上手く理解できなかったけれど、少なくとも生きている私の世界と対極の世界にあるもので関係がない、と思っていた。 数日後、彼女の葬儀に参列した。 薄暗い葬儀場の粛々とした空気の冷たさと菊の花の白さ、そして脇に飾られていた持ち主を失った制服を「なにかの抜け殻の
始めるきっかけは、私の育ての親の発狂だった。 血の繋がりもない私たち姉弟を育て、彼女自身…
子供の頃、「将来何になりたい?」という質問が嫌いだった。 将来必ず「何か」にはならなくて…
いつかその日は来るのだと、思っていた。 「現代は品がなくて嫌。」と、世界を大してよく知り…