そういえば爪が切れないと思った
話に脈絡がないと思いつつ、脈絡のことまで気を配れるところまで回復するとこの文章を完成させられないと思ったのでとりあえずそのまま完成させます。
元気になったらそれなりに直します。
ひとまず脈絡のなさをお楽しみください。
鬱病です。一昨年緊急入院して、不眠症になったので退院しました。
さて、それからの私はといえばなぜだか好調で、バイトを始めたり実家を出たりなどしました。あれやこれやを割愛すると、この1年半で私は、大学での人間関係と職場と婚約者を手に入れたわけです。
人生を取り戻し始めたように見える、そんな私にも、懸念はありました。
いつ、あのベッドに舞い戻ることになるのか?
うつ病は完治しません。回復したとしてもそれは【寛解】といって、もう絶対に悪くならないという保証はないんだそうです。
人との関わりを楽しみ、外出を楽しみ、食事をし、それを嘔吐することなく、布団を抜け出し、毎日入浴する、そんな普通の、まともな日々の中で、常に頭のどこかにただれた灰色みたいな恐怖があるのです。薄氷を踏む思いで、薄氷のことは見ずに、生活をしました。
そうしたら、今日、ずいぶん爪が長いことにようやく気づきました。
うそです。それでもやっぱり薄目くらいは開けていたので、わかってはいました。
どこかで散歩していた鬱がジワジワと私のもとに戻ってきている。
さすがに目をそらしきれなくなりました。
スマホの液晶を爪が弾く音がします。
お風呂上がりの柔らかくなった爪がよく曲がるので、やや邪魔です。
拳を握れば爪の跡がくっきりとつきます。
大学の課題が一度も提出できていないのは活字が読めなくなったからです。
食べたくもないものをコンビニで買って通勤途中に食べ、さもそれが普通の食事であるかのようにパッケージやフィルムをゴミ箱に放り込みます。
大好きな音楽が聞けません。同じ曲を永遠にループすることで、ようやく頭が背景として認識してくれます。
大学からのメールが開けません。未読の掲示が36件溜まっています。
やるべきことができない。
焦ります。課題を提出できていないその授業の単位が取れないと、私は来年卒業できずに退学になります。
来年は父親の大不倫の話にもケリをつけなくてはいけません。父母の離婚、変わるかもしれない名字、鍵を変えられるかもしれない実家、父からの性的虐待の記憶、祖父のセクハラ、母にとられたお金、実家においたままの荷物、顔も知らない妹。考えることはたくさんあるのです。
父の件はもとから来年どうにかする(なる)ことが決まっていたので、おそらく頭が予測して拒否しているのだと思います。
昔から考えすぎるきらいがあるので、無意識にまたやってしまっているのでしょう。
根深い、しぶとい、厄介なそれと、付き合って生きていくなんて到底私には無理です。
友達に、活字が読めないと報告しました。彼女は自身も鬱であり、私が鬱であることも知っています。
混み合って繋がらないと惨めになって涙が出てしまうからと病院の予約電話を嫌がると、代わりにやると言ってくれました。泣きそうでした。
人の優しさで生きています。
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