古いデザインが新しいデザインを負かす時

最近、家族で何気なく見ていたテレビで、クラシックカーの持ち主にインタビューするという番組をやっていました。

車に詳しくはないのですが、クラシックカーといっても30年以上前の日野自動車のコンテッサとか、いすゞベレットなどが出ていました。

古き良き昭和の時代の車、高度成長期に夢や希望、家族との思い出を乗せて走った車・・・

ただ単に、外見だけの「懐かしい～！レトロ～」という印象だけではなく、持ち主の変遷や思い入れ、が感じられる素敵な番組でした。

その車たちを見ていて、
「かわいいなぁ。今乗ったら逆にかっこよく見えるし、レアだから持っている人も少なくて、BMWやベンツの外車よりこっちのほうが高級感すら感じるわー」

というように家族で好き放題言っておりました。

その番組を通して最終的に実感したのは

10年前の車って古くてダサく見えることもあるけど、30年以上前となると、逆に古いのが斬新なデザインに見えるのね。

でした。
みなさんは街中でいろんなものを見かけると思いますが、古いものを見たときどんな印象を持ちますか？
デザインのことは深い知識を持たれている方がそりゃもうたっくさんいらっしゃるので、ここであーだこーだと書くつもりはありませんが、個人的な感覚として

昔のデザインのほうが好きだなー

って思うことありませんか？

やどかりやどこが年を取ってきたせいもあるかもしれませんが、実用面はさておき、

・昔の黒電話のフォルムがコロンとしてかわいらしいなかに、重厚感があるな、

・パン焼き機や料理器具も古き良き欧米を思わせる色とかデザインだと、とってもおしゃれな家電にみえるな

とかパッと見た印象でそう感じることがたまにあります。

でも、

古いデザインのものがかっこよくみえることが確かにあるかもしれないけれど、
じゃあ、実用面ではどうなの？

と思う方もいますよね。
車とか昔のはかわいくみえるけれど、エアコンが危機が悪かったりしたら、夏や冬はきついですもんね。

ただ、一部のものについては
実用面でも前のデザインのほうがいいなあと思うものがありました。

最近買い換えた食洗器です。
以前使っていたものはかれこれ10年以上たっていたので、
だんだん壊れて水が出ていない箇所があり、
食器がきれいに洗えなくなっていたので買い換えたのです。

前の食洗器のほうがよかったな、と思ってしまう

でも、新しい食洗機を買って使ってみて、気づきました。
我が家で使っている食器たちが、新しい食洗機の中の仕切りにうまくおさまらない、ということに。
昔のほうが、前のほうが、

実用面でも使いやすかったー、というのを使って2か月以上たっても感じます。

こう書くと、

ただ単に使い慣れていただけでしょ

と言われたらそれまでなのですが、

「メーカーさん、どうしてそのデザインにしちゃったの？」

というくらい中の仕切り版が変化してて、食洗機の中にうまく茶碗やお皿が収まらないことが、軽くストレスになってしまいました。

売り手の企業側からみたら、

毎日常に進化しないといけなし、
お客様の声を反映してよい商品つくりのため日夜努力しているのに、
何言うんだ！！

と怒られそうですが、初期にできたものが使いやすさもデザインも完璧だったら、時間やお金をかけて改善をして、わざわざ使いやすさを壊す必要はないのにと思いました。

ただ単に、我が家のお皿や食器がたまたま今の食洗器に合わないだけかもしれませんが。別のご家庭ではぴったりで使いやすい！！と言っているかもしれません。


でも、やっぱり
同じ型があったら、昔のがやっぱりほしい

今現在はもう廃版で、欠品のため、しょうがなく最新式の食洗機を購入したわけですが、同じ型があったら購入する人が一定数いることを知っておいてほしくて今日は書きました。

企業側は採算がとれない、売れない商品は、
デザインを刷新したり、
中身を大幅に作り直したりして企業努力を日夜重ねてなんとか売れるように頑張っていらっしゃるのは重々承知ですが、
「中古売り場」という事業を製品制作・販売会社がやってもよさそうだな、と思いました。

リサイクルショップのようなことをメーカーや販売先が直接やるって大変なんだろうけれど。。
やどかりやどこの子供が家をでて自分の殻を探すときの家電が安く、いいものが手に入るなら安心の直販中古屋さんにいくだろうな。

皆さんの中に、今も新しいものがでまわっているけど、買い換えずに昔から持っていて、愛用しているものはありますか？
それはどんな理由なんでしょう。
ひとつひとつ、一人ひとりストーリーがありそうだな、ってちょっと思って聞きたくなりました。

やどかりやどこはもちろん殻、と言いたいですが、
やどかりは世を忍ぶ仮の姿で、実は殻をしょっている人間ですので、
正直にいいますと、
20年前に自分で買ったお財布です。
昔のものだけど、新しいものより味があって、今同じものは手に入らないからこそ愛おしい。

古いデザインが新しいデザインを負かす時に思いを馳せる時間でした。