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もともと記憶喪失なのでいつからぼけたかわからない

 島生活も早三か月。

 急に寒くなったけど、おとなりさんが服くれたり、灯油ストーブと電気ストーブとファンヒーター貸してくれたおかげで、わりとぬくぬくと暮らしている。

 何より虫が出ないのがいい! さらば!ムカデとG!(特にムカデ!)

 朝起きたらまず灯油ストーブを付けて蚊帳の中に温風を送り込み、ほぼ外な土間を駆け抜け、脱衣所のファンヒーターをつけて、ふろの追い炊き。そして風呂に浸かり、じんわり汗がかくほど体を温めてから、ほぼ外な土間で調理。

 ちなみにここまで寒がってるのは私が冬の室内気温南国パラダイスなどさんこだからで、まだまだ全然今時期はこの辺の人にとっては暖かいらしく、暖房なんて使っていない様子。

 まあ、私もずっと暖房をつけてるわけじゃないけれど、朝起きるときが一番寒い。

 それでも快適古民家ライフ。

 友人たちは羨ましがりながらも、コロナ下でもあったし、なかなか遊びにきてはくれない。でも今週末、高校の頃からの友人と旦那さんが愛媛の妹のところに行ったついでに立ち寄ってくれるという!

 で、それに関しての話なんですが、私の記憶力が相当やばい。

 最初、車で40分の港まで、迎えに行く約束をしていて、おとなりさんにもつきあってもらい道を覚えたのに二週間たってすでに忘れた。

 でもおとなりさん情報によると、ともだちが到着する港からさらに高速船で10分で、近くの港に着くという。ここから車で20分ぐらい。

 ともだちは私が時間通り迎えに来れるのか心配しているし、その港の方がいいだろうと提案したら……

『え? その港に迎えに来れるか聞いたよね?』

という返事。

まーったく覚えてない!

 まあ今に始まったことではなく、私の高校時代の思い出や好きだった人の名前などはすべて彼女から伝え聞いて認識したものばかりで、いつも他人事のように話を聞いていた。

 本当に記憶に残ってない。

 ちなみに彼女は今回無事に私と会えるのか心配して、昨日は夜も寝れなかったらしい。

「だいじょうぶだよ! 携帯が普及してない頃でも問題なくつきあえてたじゃん!」

と私が言っても、どうやらそれも記憶違い。

「え、わたしいつも待ってたよね? わたしより早く来たことないよね?」

そう言われたけど

「でも君ら家族(ともだちと旦那と子どもたち)と出かけた時、ちゃんとまにあったじゃん!」

と言うと

「それ、本当は7時半出発だけど、どうせ来ないから7時って言ったから、7時半頃着いたんだよね?」

と言われた。

「でも、7時半にはまにあってるじゃん!」

「それ、間に合ってないよね? 遅れてちょうどよくなってるよね? 大体いつも約束したその時間に家出るよね?」

 図星だった。

 私は学生の頃から遅刻魔だけど、先生やってる今でも変わらないところあて、スケジュール管理してくれる学生が何人かいて、それで何とか授業ができてるところもある。学校の予定とか夏季冬季の時間変更とか忘れる。

 一人旅もよくするくせに旅の計画はまずしない。一応今回はせっかく来てくれるわけだからおもてなししようとはりきってるんだけど、詳細(そもそもない)も伝えてないものだから、友だちが不安がっている。

「スーツケース車につめるか聞いたけど、どれぐらいの大きさかも確認してないから心配で。もしつめないならホテルに預けなきゃないし」

と言うので、

「大丈夫だって言ったじゃーん!」

と言ったけど、大丈夫と思わせる情報(車は軽ではない)など、何も伝えてないので心配させてたようだ。

 あとせっかく来てくれるのだから島牡蠣をぜひ食べてもらおう!と計画してたら、牡蠣は来月からでまだ食べれないとのこと。

「ごめん、なんか牡蠣がまだとれないみたいでさ」

と言うと

「もともと一番食べたがってたのはそっちだよね? うちの旦那は食べれないし」

「ええっ!そうだっけ?」

これも記憶にない。

「ところで今週来るの土曜だっけ?日曜だっけ?」

「土曜だよ!!! 船着くの11時半って覚えておいて!11時半だからね!(本当は11時50分)。ちゃんと船がやってくるのを見てね!」

 まるで催眠でもかけるように何度も「半ね!」と言われた。

 それにしても彼女がこんなに心配性だったとは! 
 (もしかしたらそれも忘れてる?)

 LINEの返事が遅いだけでせっかちな私は「もういいや」となるのも知ってる彼女は、昨夜うっかり既読をつけてしまったことで、私が「返事がない!」となってるんじゃないかと気に病んだのもあり眠れず、朝一番で電話しようとしてきた。

 そこまで気にする人に気を遣わせて申し訳ない!

 長年の付き合いなのに知らないことばかりだ。
(知らないというか忘れてるんだろう)

 前に彼女が深刻な話をした時、「それはたいへんだったね」と言ったと思うけど、何がたいへんだったか忘れてしまった。

 でも自分のことをあまり語りたがらず、言ってしまったことを後悔するところがある彼女にとっては、私のいちいち覚えてないところはいいらしく褒められたことがある。そう、褒められたことはよく覚えている。

 そもそもこういう寛容な人じゃないと友だちではいてくれない。

 私の元旦那は私が喧嘩しても寝たら忘れて普通に接するところとか、私の「細かいことはいいじゃん!」みたいなところとか無計画に思いついたことを言うところとかが大嫌いだったらしい。

 ある時、喧嘩(というか尋問)が夜中まで続き「もう寝ようよ」と言っても「寝かせないからな!忘れるくせに!」と寝室のドアを閉められ入れなくされて寝ずの刑にされたことがあった。

 あれは拷問だったなー。

 そう考えたら私の特性もわかった上でうまく動かしてる友だちはすごい。

 それにしても牡蠣がだめなら、肉だな。
 旦那さんは肉が好きだしな。

 そう思っておとなりさんに相談したら猪の肉をくれると言ったんだけど、どうやら旦那さんは猪の肉は食べらないらしい。

 どうしようかなーと思ってたら、軽トラで行ったゴミ出しで会った近所の人が肉をくれた。その前はハンバーグをくれた人なので「肉おばさん」と心の中で呼んでいる。

 その肉の一部を試食してみたらうっまーい!

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 忘れてたら育ってた豆苗と一緒に食べた。今日はおとなりから鯛の刺身ももらった。さらに栗とみかんももらった。

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 今日も食べ物に困らない、いい日であった。

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 今日は海の方ではなく山の方を散歩したけど、なぜか高いところには墓がよくあり、みかん畑と墓場が混在している。散歩の前は寝てたけど、お隣さんが鯛を持ってきてくれたので起きて散歩に行った。もしあのまま寝てたら昨日みたいに気づいたら夜だったんだろう。

 まあこんな感じなので、朝も目が覚めたら起きるし、お腹空いたら食べるし、眠くなったら寝る生活だ。

 何かしなければと計画をたてればできないことの方が多すぎて負担だけど、何も計画や目標がなければ、ただその時自分がしたいことをしたという「できた」だけが残る。

 ほったらかしてたら思わず育った豆苗、もらった肉、栗、みかん、鯛。新しい散歩コース。

 今日もいい一日だったと言えて終われるだけでいい一日。

 私は忘れっぽいけれど、感情とか感覚はわりと覚えているところあるし、まあ前述の友だちと一緒にいる時間は楽しいと記憶してるし、今回もそうなればいいなぁと思う。わかちこわかちこー(古っ)

 





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