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雨とネオン
度重なるネオンの果てに、零れ落ちた命ひとつ
不定形な水溜りを、殊更濁して
土塊と愛憐れむ舞踏を
よそ行きはみんな脱ぎ捨てちまったよ
一張羅この身、やつがれてしまおうやい
こんなにも明るい街で
まなこばかりが曇ってゆく
横断歩道が堰き止める雨のアスファルト
溺れるように泳ぐ、踠く、藻掻く
魚は死んでしまったの
目の光を失ったの
だからこうしてどんよりと
最終電車に揺られているの
刮目して。
ネオンの果てに、見つけた光とはなんぞ
暖かい家族の光を眩しく見つめる
行ったことのない場所への望郷がーー奔る。
走馬灯、これ幸いと鎖を打ち捨て
見上げた路地は万華鏡となって脳内を蹂躙す
嗚呼、呑みすぎたな。
否、呑まれすぎたのだった、繁華の波に
喉をも充たせぬ微量な滴と
肺をせしめる緩慢な煙
やれ、一服。
踏み越えてくれ、のさばってくれ、
置いて行け、君らには救えぬものだとも。
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